スタバ・ジャパンCEOが語る、買収劇の舞台裏 米本社による完全子会社化で何が変わる?
――SBJの業績が右肩上がりにある中で、上場廃止となる。
大きなポイントは、上場した時に米本社と20年間の包括的なライセンス契約が結ばれて、2021年にそれが終わるということ。毎年の有価証券報告書にも載せている。これは大きな事実で、そろそろ米本社とのこの先の関係を考えなくてはいけない時期だった。
ただ正直、何らかの決断をいつのタイミングで下すかという話は、サザビーや米本社の意向によるところが大きい。われわれの知るところではないので、(両社併せてSBJ株の)80%を持っている人たちが決めたことを粛々とやっていくしかない。
資本構成が変わるだけ
――完全子会社化に対する米本社の考えは?
私がCEOに就任して3年経つが、株価も3倍になった。資産総額も大きくなった。数年前だと400億円で完全子会社化できたが、(今は株価の上昇によって)1000億円近いカネを本社は出すことになる。
米本社の取締役会で、これだけの投資をする勝算、将来性があるという判断がなされた。そういうことを前提として考えたとき、日本のビジネス自体が将来、今まで以上に成長するという確信がないと、この決断はできない。
「日本は独自のビジネスモデルをしっかりつくって、世界各国のどの現地法人よりもすばらしい形でやっている」と米本社側は評価してくれている。「これを変えるつもりは更々ない。資本構成が変わって、上場廃止になるだけだ」と米本社側は強調している。
――社内外の反応はどうか。
どういう風に反応するのか、心配もあった。われわれの力の源泉はパートナー、つまり、現場の従業員だ。彼らがどういう受け止め方をするのか。リリース発表後、行ける店舗には行き、電話もかけまくった。本社で社員全員を集めて事実関係を伝えたり、先日は大阪のオフィスに行ってきたり。こういうアクションの中で、皆に「何も変わらないよ」と伝えた。ネガティブな反応はなかった。
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