よみがえったスタバに学ぶ、「らしさ」の経営

世界中の企業が陥る、「経営合理化」の甘い罠

一度足が遠退いたスタバに、再び人気が戻ったのはなぜなのか?

誰もが気付いた、「スタバの異変」

米国で9.11が起こった2001年ごろのこと。当時の私の自宅から歩いて15分の場所に、「南町田グランベリーモール」というアウトレットショップがあった。その中にあるスタバはいつも行列ができていた。毎週末、妻とこのスタバでラテを飲みながらまったりと過ごすのが、私のお気に入りだった。店の人たちもフレンドリーで、顔なじみになった。おいしいメニューを教えてもらいながら時間を過ごしていると、とても癒やされた。

翌年のGW休み。韓国ソウルに旅行にでかけたときも、スタバに入り浸りだった。おいしいコーヒーというと、私にはスタバしか思いつかなかったのだ。日本と同じ雰囲気で、異国の地でも癒やされたことをよく覚えている。

そのスタバの雰囲気が何となく変わってきたと感じたのは、2007年ごろだ。ちょうど東京ミッドタウンが完成し、第1回東京マラソンが行われた頃のこと。街でちょっと一休みしようとすると、東京では至る所にスタバの店舗が見つかるようになった。「よかった!」と思って店に入ると、店内はとても狭く窮屈だ。店舗のデザインもありきたりであまり癒やされない。コーヒーもおいしく感じなくなってしまった。私は次第にスタバから遠のき、当時はやり始めていたおしゃれなオーガニック系のカフェに行くようになった。

2014年の現在はどうか? 再び私は、スタバで過ごすことが多くなった。家の近所にあるスタバでは期待どおりのおいしいコーヒーが出てくる。店員の人たちのホスピタリティも高い。顔を覚えてくれて、新しいコーヒーやそれに合うデザートを勧めてくれる。店で過ごす時間は安らぎのひとときだ。

友人たちと話すと、筆者と似た体験をした人が意外と多い。2000年ごろににぎわったスタバは、一時停滞し、そして今は復活し多くの客でにぎわい、再び「外食業界の勝ち組」とも称される。

いったい、スタバで何が起こっていたのだろうか?

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