よみがえったスタバに学ぶ、「らしさ」の経営 世界中の企業が陥る、「経営合理化」の甘い罠

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「経営合理化」という甘い誘惑

このときのスタバの状況を読み解いてみよう。以下は2007年と2008年のスタバ本社における業績比較だ。売上高が拡大しているものの、利益は半減、既存店の売上高も下がっている。つまり2008年、スタバは数字のうえでも不振状態に陥っていたのだ。

もしあなたがスタバの経営者だったら、この数字を見てどうするだろうか?

「売り上げ拡大の勢いは重要。これは維持したい。しかし利益が悪化しているのは費用が多すぎるからだ。もっと無駄を省いて、効率化を図ろう」

このように考えるのではないだろうか?

「利益悪化の処方箋は、経営合理化」と脊髄反射のごとく考える人は多い。実際、経営は結果がすべてと考え、数字を見てドライに割り切り、過酷な経営合理化に踏み切る企業が多いのが現実だ。

実際に経営合理化をすると、即効的な効果が出る。たとえば人員を2割カットすると、人件費は2割程度減る。コストが減った分、利益は拡大する。不振状態を脱して、利益向上をすぐにでも実現したい経営者にとって、即効性がある経営合理化は甘い誘惑なのだ。

しかし一方で、もしあなたが消費者としてスタバの変遷を肌で感じていたとしたら、直感的に「スタバにとって経営合理化は、正しい解決策とは思えない」と感じるのではないだろうか。

成長と効率性を追求しすぎた代償

なぜスタバの来店客が減少したのか? われわれが経験した、かつてのスタバ体験に、まさにヒントがある。

その時期にスターバックスで起こっていたことは、創業者であり、この時期に経営を立て直すべくCEOに復帰し陣頭指揮を執ったハワード・シュルツが書いた『スターバックス再生物語』(徳間書店)に詳しく書かれている。

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