60.8%--2010年春の大卒者の就職率(大学卒業生に占める就職者の割合、文部科学省)《気になる数字》

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60.8%--2010年春の大卒者の就職率(大学卒業生に占める就職者の割合、文部科学省)《気になる数字》

文部科学省が実施した2010年度学校基本調査によると、今春の大学卒業者(学部卒)は54万1000人。このうち就職が決まった人は32万9000人で、就職率は60.8%と2年連続で低下した。前年度比7.6ポイント低下と過去最大の下落幅を記録したこともあり、「大学に進学しても就職できない」という事態が当たり前の風景になりつつある。

就職率の低下の大きな要因は、不況の長期化で企業の新卒採用数が大幅に低下しているため。しかし、大学卒といっても一昔前とはその意味は異なる点にも注意が必要だ。

今春の大学への進学率は前年度に比べて0.7ポイント上昇し50.9%と過去最高を記録。大学(大学院を含む)の学生数も4万1000人増の288万7000人とこれまた過去最高となっている。大学がレジャーランド化したといわれ始めた25年前と比べても5割増となっており、質の劣化もいわれて久しい。

とはいえ世代間格差は無視できない。企業は終身雇用の名の下、中高年の雇用削減に積極的。年金の支給年齢の引き上げで定年後の社員も雇わざるをえないという事情もあり、そのシワ寄せが今の若者層に向かう。またグローバル化の進展に伴い、求められる人材像が変化しているにもかかわらず、大学が対応しきれていない、という面もある。大学や日本の雇用のあり方など多面的な分析が必要だろう。

(『東洋経済 統計月報』編集部 =週刊東洋経済2010年8月28日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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