日本人の英語が海外で今一つ伝わらない根本原因 国際情勢をinternational situationと訳す人の盲点
地形は「rivers and mountains」に言い換える
英語が日本語と大きく違う点を3つあげることができます。それは英語が「具体的」「説明的」「構造的」であることです。そして日本語は、そのいずれの点でも対極にあるのです。
「具体的」の反対が「抽象的」ですが、日本語は抽象的であるばかりでなく、「あいまいさ」が特徴です。これは『あいまいな日本の私』(岩波新書)という大江健三郎さんの著書があるように、善かれ悪しかれ、私たち日本人の思考・表現形式の何より大きな特徴で、日本固有の言語・文化の根幹といっても過言ではありません。日本語と英語を使い分けるうえで、嫌でもでも意識せざるをえないことです。
かつて私が駆け出しの通訳だったころ、詳細はおぼえていませんが、「地形」という言葉が出てきたことがありました。私はtopographyという言葉を知っていたので、しめたと思って得意になって使いました。
すると、それを聞いた相手の人はtopographyをrivers and mountainsと言い換えて話しているではありませんか。そういえば日本語でも「山川」と言います。なるほど、これが英語の感覚かと、妙に納得した気持ちになったものです。
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