「SDGsとビジネス」両立させた女性が続けてきた事 商品化できるようになるまで10年かかった

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立花さん(写真中央)が代表を務める株式会社スプリングの工場のあるインドの村で子どもたちと(筆者提供)
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「2021年ユーキャン新語・流行語大賞」にもノミネートされた「SDGs」(持続可能な開発目標)。その言葉の認知は徐々に広がり、取り組む企業も増えてきています。しかし、関心の割には、行動に移せない企業や、行動に移していても、慈善事業的な意味合いが抜けなかったり、どこかブームに乗って行っている感がすけていたりして、企業側が持続可能なの?と思ってしまう活動も少なくありません。
「お互いが幸せになるようなSDGsではないと、企業にとってメリットがないし、続かない」と語るのは、SDGsが話題になるはるか前から、インドの小さな村に自社工場をつくり、産業のない村の女性たちを雇い、貧困の解消やジェンダー平等につながる活動をしてきた、エシカルアクセサリーメーカースプリング代表の立花佳代氏。立花氏の著作『やりたいこと、全部やりたい。』から一部抜粋、再構成してSDGsとビジネスの両立の方法についてお届けします。

中小企業こそ取り組みたいSDGs

SDGsというとどこか奉仕活動、やらなくてはならないことみたいな感じでとらえている方も多くいらっしゃるかもしれません。ただ、その重要性が一般的にも認知されてきたいま、特に、私のような宣伝や広告、ブランドイメージの構築に多額の資産を投じられない中小企業にとって、SDGsはビジネスの新しいチャンスを与えてくれるものだと私は思います。一方的な援助では、持続的な活動は難しいのではないでしょうか。自己中心的なSDGsでいい。それで1つの問題が解決されるなら、それはそれで意義のある活動ではないでしょうか。

いま、わたしが代表を務めるスプリングでは、事業の柱のひとつとして、インド伝統の手刺繍やビーズワークを活かしたアクセサリーブランド「MAYGLOBE by Tribaluxe(メイグローブ バイ トライバラクス)」を展開しています。どの商品もインド独自のデザインを取り入れながら、日本の女性が可愛いと感じられるような、日本のトレンドを押さえた繊細でオリジナリティあふれるアクセサリーです。

それまで、これといって目立った産業のないインドの小さな村の女性たちが手に職をつけることで、自立の機会を与えているとの評価を得て、商品のクオリティーだけでなく、SDGsなどの言葉が広がるなか、エシカルなアクセサリーブランドという文脈で評価をしてくださる方が増えてきたのは、本当にありがたいことです。本格的にはじめたのは、2008年。SDGsが浸透するかなり前の話。当時の私は、SDGsをまったく意識していませんでした。

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