「SDGsとビジネス」両立させた女性が続けてきた事 商品化できるようになるまで10年かかった
いま、これだけいろいろな情報がインターネットで行きかうなか、商品は真似されやすい時代になっています。なかなか、商品で差別化をはかることは難しい。
だからこそ、そのブランドや商品の持つオリジナルの「ストーリー」で差別化をはかることが、とても大切なのではないでしょうか。単にSDGsの趣旨に賛同して、バッチをつけたり、今まで行ってきた業務に無理やりSDGs的な意義を加えたりしても、そこにストーリーは生まれず、形だけの誰も得をしないSDGsになってしまうのではないでしょうか。
現地の従業員たちの暮らしに目を向ける
「自分のやりたいこと」からはじまったインドの活動は、いまどんどんと広がりをもちはじめました。現地の従業員たちの暮らしに目を向けることで、インドの村が抱える問題にも、気づけるようになりました。インドでも義務教育はありますが、親の考え方や家庭環境によって学校へ行けない子どもがたくさんいます。
家事や仕事をしてほしいから、親が学校へ通わせないわけです。そこで、はじめはミシンの使い方など、技が身につきやすいレッスンからはじめています。そしてゆくゆくは、女性特有の病気にならないための知識や、避妊などについてもレッスンしようと話しています。
女性であるというだけで無理に毎年出産させられるのは、避妊や「もう子どもはいらない!」と意思表示することへの高いハードルがあるからです。
そんな部分のレッスンをしていけば、これまでとは違う考え方を持てるようになるかもしれません。村の長老や男性からは「余計なことをするな」と怒られるかもしれませんが、そんな活動も様子を見ながらやってみようと考えているところです。
さらには、村の年配者全員に対して、無料のメディカルチェックもはじめています。
例えば村には目の病気になる人が多く、それは不衛生な手で目を触ったり、皮膚の傷から菌(カビなど)が侵入したりして感染する場合もあるようです。そこで、医師と移動設備を手配して診断を行っているのです。すべて草の根レベルの活動ですが、村人たちからは好評で、あるおばあちゃんには、「やめないで頑張って続けてね!」と目を見つめられ、手を握られていわれたこともありました。
私たちの活動で世界の貧困がなくなるわけではないですし、SDGsの目標達成に向けて本当に小さな1歩かもしれません。しかし、そんな小さな1歩を続けていくこと、そしてそんな活動がさまざまなところに広がり積み重なっていくことは、決してムダなことではないと思います。
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