「社員150人」超えで効率性や結束力が下がる理由

人類の進化から「ヒトの思考と行動」を読み解く

優秀な個人ばかりを集めても、優れた企業になるとはかぎらない。組織の行動原理、そして組織を構成するヒトの思考原理を解き明かしていく(写真:SasinP/PIXTA)
優秀な個人ばかりを集めても、優れた企業になるとはかぎらない。ときに、不正を犯したり、同じ失敗を繰り返す組織もある。一方で、世間から見るとそれほど優秀な個人ばかりを集めたわけでもないのに、組織として強く、高い業績を上げ続けている企業も数多くある。そうなると、疑問が湧いてくる。
なぜ、個人の能力の総和と組織の能力は、一致しないのか?
こうした疑問に答えたのが『人の顔した組織』。組織の行動原理、そして組織を構成するヒトの思考原理を解き明かしていく。

コンサルやベンチャーが直面する「150人の壁」

コンサルティング会社などのプロフェッショナルファームは、社員数が150人を超えると分裂などが起こりうまくいかなくなるといわれてきました。

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また、ベンチャー企業も社員150人くらいまでなら創業者の力だけで引っ張ってこられますが、それを超えたあたりから経営をシステマチックなものに変えることが必要だと、多くの経験者は語っています。

なぜ150人が限界なのでしょうか。

現代人とほぼ同じ大きさの脳をもっていた弱いホモ・サピエンスは、体が大きく強い敵からの攻撃を防ぐため、そして食糧を効率よく見つけるため、比較的大きな集団で守り合って生活する必要がありました。その集団の規模が約150人だったそうです。

イギリスの人類学者ロビン・ダンバーは、人類の歴史上のさまざまな集団を調べ、最も密に協調し合える集団の上限は約150人であることを発見しました。この数を超えると結束力や効率性が低下し始めるといいます。ちなみに、現代に暮らす狩猟採集民の村の平均的人数もやはり150人程度だそうです。この人数には「ダンバー数」という呼び名がついており、集団の基本単位と考えることもできます。

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