スウェーデンの天才語る「受験生の脳」鍛える裏技

中学受験生「10分の早歩き」習慣が学力を伸ばす

受験を控えた子どもの学力を伸ばすためにできることとは(写真:Fast&Slow/PIXTA)
2021年、話題を呼んだ本といえば『スマホ脳』を思い浮かべる人もいるだろう。コロナ禍でデジタル機器の使用が増える中、スクリーンタイムが脳に与える影響を改めて実感させられた。その著者が小中高生やその親が読むことを前提に書いたのが、『最強脳―「スマホ脳」ハンセン先生の特別授業―』だ。著者が訴えるのは「運動が脳を強くする」というただ一言。だが、受験を控えた子どもに対しては「運動するくらいなら勉強してほしい」と思うのが親心というもの。親がスケジュールを管理する中学受験生なら、なおさらだ。そこで今回、スウェーデンの精神科医である著者のアンデシュ・ハンセン氏に、書籍をベースに「中学受験生ができる脳の鍛え方」について聞いた。

「10分の早歩き」が学力を伸ばす

──「運動が脳を作る」ということですが、受験を控えた小学生は寝る間も惜しんで勉強しています。「まったく外で遊ぶ時間がない」となげいている親御さんも多いと思うのですが、一体どの程度の運動をすればいいのでしょうか。

勉強にも集中力は必要です。運動は集中力を高めます。10歳の子どもたちを対象に行った調査では、たった4分間、心拍数が上がるような運動をやってもらったところ、その後1時間、集中力が高まることがわかりました。また、毎日体を動かしている子どもはストレス耐性があることも別の調査で判明しています。ストレスに強くなりたいのであれば、週に2、3回、できれば30分程度の有酸素運動を取り入れるといいでしょう。

とはいえ、時間がないなら、1日10分だけでもいいのです。10分だけ体を動かして、その後は机に向かって勉強をする。これだけでもかなり効果があります。たとえ短い時間でも、体を動かすことで脳が活性化し、認知能力をアップさせるからです。運動と認知能力の関係は、過去に何千もの研究で証明されています。

運動と聞くと、サッカーなどの本格的なスポーツを思い浮かべる人も多いでしょう。でもそこまでしなくても構いません。学校や塾までの時間にいつもより早歩きして、心拍数を上げるだけでもいいんです。1日に少しの時間でも運動することで、健康になり、幸福感も上がります。さらには体重もコントロールできます。運動が得意にならなくてもいいので、「運動することで自分の脳の世話をする」ことを、子どもたちには身につけてほしいと思っています。

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