スウェーデンの天才語る「受験生の脳」鍛える裏技 中学受験生「10分の早歩き」習慣が学力を伸ばす

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──「集中力には個人差がある」とのことですが、運動習慣との相関関係はありますか?

もちろんあります。アメリカで3000人の若年層を対象にした25年によって、集中力が必要なテストで最も成績が良かったのは運動習慣がある子たちでした。反対に、最も悪かったのは座っている時間が長い子やテレビを1日3時間以上見ている子たちでした。怖がらせるつもりはないですが、そうした子たちは集中力だけでなく、記憶力も良くなかったのです。

運動習慣で集中力も自信も身に付く

──やみくもに集中して勉強しようとするのではなく、運動をうまく取り入れながら脳を使う。親としては、それを子どもに促してあげるといいのですね。

すべてを一瞬で解決してくれる魔法のようなボタンは存在しません。でも運動が脳にどれほど良い影響を及ぼすか、それを知ってもらいたくて、この『最強脳』を書きました。スウェーデンではこの本を一括購入し、生徒に配っている学校もあります。道を歩いていると、うれしいことに毎日のように子どもがそばにやってきて「脳に対する知識を得たことで、運動するモチベーションが上がってきた」と伝えてくれます。

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運動することでしっかり食べてしっかり眠れるようになり、体のコンディションが良くなったと感じる子どもも多いでしょう。さらに、心が元気で落ち着いていて、集中ができる状態が続くと、何をやっても成功する確率が高くなります。そうやって自信がついていくのです。

さらに、自分の役に立つと思って体を動かすことで、自分自身を誇らしく思うことができます。疲れているのにがんばって運動した時などは、なおさらそう思います。こうやって自信がどうやって大きくなっていくのです。日常に運動を積極的に取り入れて、ぜひスパイラル状の自信を手に入れてください。

樋口 可奈子 ライター、編集者、ファイナンシャルプランナー(AFP)

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ひぐち かなこ / KanakoHiguchi

早稲田大学卒業後、メーカー勤務などを経てライター/編集者に。ビジネス誌で商業施設のニューオープンや女性を中心とした働く世代の消費トレンドを担当。ファイナンシャルプランナー(AFP)として家計相談や不動産関連の記事も執筆。特技は整理整頓。趣味はドライブと断捨離

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