12月8日、「中国版ツイッター」と呼ばれる短文投稿サイトの微博(ウェイボー)が香港証券取引所に上場した。2014年にIPO(新規株式公開)を行ったアメリカのナスダックとの重複上場となる。
これにより、微博は電子商取引(EC)大手の阿里巴巴(アリババ)、オンラインゲーム大手の網易(ネットイース)、動画配信サービス大手のBilibili(ビリビリ)、ネット検索大手の百度(バイドゥ)などに続いて、アメリカから(中国の主権下にある)香港に「里帰り上場」を果たした中国関連銘柄の1つとなった。
しかし上場初日の香港市場は、微博を手荒に出迎えた。同社は香港での売り出し価格を1株当たり272.8香港ドル(約3973円)に設定。これは12月7日のナスダックでの終値である1ADS(アメリカ預託株式)当たり33.48米ドル(約3803円に相当)を、わずかに上回る水準だった。ところが、初日の取引開始直後から株価は急落し、終値は売り出し価格より7.18%安い253.2香港ドル(約3688円)に沈んだ。
アメリカでの非上場化を断念
財新の取材によれば、微博は2021年初めにアメリカでの非上場化の検討を開始。同年6月の時点では、いったん非上場化した後で香港に再上場する計画を立てていた。しかし同社はその後、手続きに時間がかかり不確実性が高い非上場化を断念し、香港への重複上場に切りかえた。
微博の決算報告書によれば、2021年7~9月期の売上高は前年同期比30%増の6億700万ドル(約690億円)、純利益は前年同期の5.35倍の1億8200万ドル(約207億円)と、足元の業績は好調だ。2021年9月の月間アクティブユーザー数は、前年同期比12%増の5億7300万人に達している。
にもかかわらず株価が冴えないのは、同社の経営が中国政府による規制強化に直面しているからだ。2021年9月のデータセキュリティ法や同年11月の個人情報保護法など、ネット上でのデータの取り扱いを厳格化する法令が相次いで施行されるなか、中国の個人データを大量に保有する微博の株を買うのはリスクが大きいと、投資家の多くが判断している。
同社株の2021年の最高値は、ナスダックで7月7日につけた1ADS当たり64.7ドル(約7349円)だった。しかし5カ月後の12月初めの株価は、その半値近くにまで落ち込んでいる。
(財新記者:朱昊宇、関聡)
※原文の配信は12月8日
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら