中国のショート動画アプリ大手、快手科技(クワイショウ・テクノロジー)は11月23日、2021年7~9月期の決算を発表した。売上高は前年同期比33.4%増の204億9300万元(約3672億円)と、大幅な増収を達成。一方、純損益は投資損益やストックオプションなどを控除した調整後ベースで48億2200万元(約864億円)の赤字を計上した。
同社はこれで、3四半期連続で50億元(約896億円)近い純損失を出し続けている。その理由について快手は、(新規ユーザー獲得や既存ユーザー繋ぎ止めのための)積極的なセールス・プロモーションの継続や、海外市場の開拓促進などを挙げた。7~9月期に計上した販売・マーケティング費用は110億1700万元(約1974億円)と、前年同期の2倍近くに膨張。その結果、(本業の収益力を示す)営業損益は74億元(約1326億円)の赤字となった。
このように足元の業績は厳しいが、7~9月期は将来への明るい兆しも見えてきた。直前の4~6月期に伸び悩んだユーザー数は、7~9月期は1日当たりアクティブユーザー数が前年同期比17.9%増の3億2040万人、月間アクティブユーザー数が同19.5%増の5億7290万人と大幅な増加に転じた。ユーザーの1日当たり平均アプリ利用時間は119.1分と、同35%増加した。
ライブストリーミングは縮小基調
「経営指標の改善は、2001年6月末と9月末に実施した(部門間の連携を強化する)社内体制の見直しの成果だ。(お薦めの動画をユーザーに提案する)レコメンド機能の精度が向上し、ユーザーの活性化につながった」。快手のCEO(最高経営責任者)を務める程一笑氏は、決算説明会でそう強調した。
アクティブユーザー数の増加とアプリ利用時間の伸びにより、快手のアプリのトラフィックは前年同期比6割増加。それによって多くの広告主を引きつけることに成功し、7~9月期の広告事業の売上高は109億900万元(約1955億円)と、前年同期比76.5%の大幅増収を達成した。
一方、2020年に爆発的に流行したライブストリーミングは、すでにピークを過ぎて業界全体が縮小基調に陥っている。快手のライブストリーミング事業も例外ではない。7~9月期のライブストリーミングの有料ユーザー数は月間平均4610万人と、直前の4~6月期比で3.6%の増加を確保した。しかし、同事業の売上高は77億2400万元(約1384億円)と前年同期比3.0%減少し、3四半期連続のマイナス成長となった。
(財新記者:関聡)
※原文の配信は11月23日
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