クールジャパン、世界で戦うために必要なこと

「弱い日本」は変われるか?【前編】

 モノがあふれている社会で、売り手はいかにしてモノを売るか。そして、モノに囲まれている私たち買い手が、モノを買う理由とは何なのか。マザーハウス副社長の山崎大祐が、これからの時代の「モノの買い方、売り方」を考えていく。

 

2013年11月に設立された官民ファンド「株式会社海外需要開拓支援機構(以下、クールジャパン機構)」の代表取締役社長、太田伸之さん。2000年から10年にわたってグローバルファッションブランド、ISSEY MIYAKE (イッセイミヤケ)の社長を務め、ビジネスのグローバル展開を進めてきました。その後、百貨店役員を経て、クールジャパン機構の社長として白羽の矢が立ちました。

太田さんは次のように語ります。

「今まで世界にプロダクトを輸出し、世界と交渉をしてきて、日本は世界で本当に弱いと実感してきました。ペリーが浦賀に来てから何も変わっていないんじゃないか。確かに日本人は優しいし、思いやりもあるけれど、そこも弱点です。日本が海外とのビジネスの仕方を変える最後のチャンス。それにかかわれるなら死んでもいいと思い、クールジャパン機構の社長を引き受けました」

昨今、アニメや漫画、寿司等の日本食、ストリートファッションなど、世界で受け入れられている日本のサービスやコンテンツを総称して「クールジャパン」と呼ばれています。このクールジャパンの広がりから、日本企業の海外ビジネスの拡大や、ソフトパワーの強化を通した日本のプレゼンス拡大を目的に、クールジャパン支援が国家戦略として認められたのです。そして昨年、この政策の中心的存在として、政府出資を中心としたファンドを作っていくことが決まりました。これがクールジャパン機構です。

「日本市場はもう飽和状態だから、海外へ進出しよう」という考えは甘いと、以前の連載でも述べました。では、なぜこのタイミングで、それも官のおカネを中心とした海外進出支援のファンドなのか? クールジャパン機構の太田社長に正直な質問をぶつけることにしました。

クールジャパン機構の太田社長

民間ができないことをやる

「クールジャパン機構の意義は、海外で日本のプレゼンスを拡大することにあります。今、世界を見てみると、今までの日本を引っ張ってきた大手輸出企業が曲がり角に来ている。逆に今、注目されているようなアニメや漫画、日本食などは、あまり世界で戦ったことがなくマイナーな存在。そこへ投資と共にビジネスの仕方を作っていくのが、クールジャパン機構なのです」

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