「日本がダメだから海外」では失敗する

世界の中で特殊な日本の消費社会と組織構造

 モノがあふれている社会で、売り手はいかにしてモノを売るか。そして、モノに囲まれている私たち買い手が、モノを買う理由とは何なのか。マザーハウス副社長の山崎大祐が、これからの時代の「モノの買い方、売り方」を考えていく。

サービス業の海外成功事例はあまり聞かない

「モノがあふれた時代のモノの買い方、売り方」、今回のテーマは視点を変えて、「海外への販売展開」です。

日本市場はもう飽和状態でモノが余っている、だからモノを売るために海外へ進出しようということを考えている方々は、多くいらっしゃると思います。アジアを中心とした海外では、マーケットも伸びているから、チャンスがあるのではないかと。しかし実は、海外販売進出はそんなに簡単な話ではありません。

確かに自動車や電気製品に代表される耐久消費財メーカーでは、大企業の海外事業の話は多く聞いています。それ以外にも、ユニクロや無印良品に代表されるように、物販系大企業の海外展開事例について聞くことも増えました。しかしながら、中小企業で、消費財や小売り、サービスの海外事業展開の成功事例を同じように多く聞くでしょうか? 残念ながら、それはあまり多くないと思います。

私たちマザーハウスは、バングラデシュに自社工場を持ち、ネパールと合わせて2カ国で海外生産をしている会社ですが、販売に関しても、日本だけでなく台湾にも販売子会社を持っているバッグメーカーです。開始5年目という早い段階で台湾に進出し、現在では台湾国内に直営店を4店舗展開しています。それは、「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念の基に、当初から海外進出を意識してきたという側面があります。

しかし、マザーハウスで海外販売展開を進めていくにつれ、そしていろいろな国でリサーチや、海外進出をした方々の話を聞いていくと、海外進出はこれほどまでに難しいのか、と感じるようになりました。

マザーハウスは台湾で4店舗展開。写真は中山店
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