マザーハウスが問う、お客様との新しい関係 お客様はモノづくりの主人公になれる!

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モノがあふれている社会で、売り手はいかにしてモノを売るか。そして、モノに囲まれている私たち買い手がモノを買う理由とは何なのか。マザーハウス副社長の山崎大祐が、これからの時代の「モノの買い方、売り方」を考えていく。

 

どうしたらモノの価値がお客様に届くか

すでに私たちの周りにモノがあふれている時代です。必要なモノは足りている。モノが売れない。そう言われて久しい中で、モノそのものではなく、その周りにあるストーリーなどを売る、という動きが出てきています。

モノ消費からコト消費へ。

ストーリーマーケティング。

モノではなく、体験を売る。等々。

いろいろな言葉が出てきている背景には、「簡単にモノが売れない」という皆さんの思いが見え隠れします。中には、いいモノを作っているのに伝わらない。このモノの価値がもっとお客様に伝わってほしい、そう真に思い続けている人もいます。どうしたらこの価値が届くのだろう!? ストーリーマーケティングのように、簡単に自分たちのストーリーを出して伝わるかといえば、そんな単純ではありません。

この連載では、自分たちが作っているサービスやモノの価値が、どうしたらお客様にきちんと伝わるのだろう、と悩んでいる人たちと一緒に、新しい「モノの売り方」を考えていきたいと思っています。

しかし、世に言う一般的なマーケティングうんぬん、のようなことで、この連載を終わらせたくはありません。もっと本質的な価値、お客様と私たちの関係性だったり、商品の価値の共有の仕方だったり、もう一歩踏み込んだところに入っていきたい。世にある「How to」論を押し付けるのではなく、読者の方と一緒に考えたり、学んだり、そんな連載にしたいと思っています。なぜなら、かくいう私もモノづくりをしている会社で、お客様に価値が届け!と願って、日々、格闘しているひとりだからです。

申し遅れましたが、私はマザーハウスというバッグ・服飾雑貨のメーカー・小売りの会社で副社長をしております山崎大祐と申します。

マザーハウスは「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念の下、7年半前にバングラデシュの小さな工場でのバッグ作りから始まった会社です。現在は、バングラデシュに100人規模の自社工場を持ち、日本と台湾で直営店を16店舗展開させていただいております。

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