職人の笑顔を写真集にしてお客様に届ける
「バングラデシュでもこんなすてきなバッグができるのね!」
「自分の使っているバッグを作っている人に会えて、うれしい!」
「途上国って怖いところだと思っていたけど、イメージが変わった」
私たちがお客様からいただいてうれしい言葉です。私たちは日々、バッグやファッションアイテムをお客様にお届けしながらも、一緒に何か別のものもお客様にお渡ししている、そんな気持ちでいます。
マザーハウスを始めてから、一貫して私たちが大事にしているものがあります。それは「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念です。途上国にあるすばらしい人材と素材の可能性に光を当てて、モノづくりをすること。私たちの場合、ビジネスを始めた8年前から、この理念だけは変わったことはありません。逆をいえば、それ以外、売るモノも含めて変化していないものはありません。
そうです。モノは変化するのです。
社会で必要とされている「モノ」は、時代の変化、ライフスタイルの変化、流行の変化等々、さまざまな要因で変化していく。そして、機能を満たすという点では「モノ」はすでに飽和状態です。
モノを売ると言っても、競合だらけ。これから需要が伸びるとも思えないモノを売っている、という人も多いのではないのでしょうか?
その中で、私は、「モノを届ける」ことから「プロセスを届ける」ことに変化してきていると思っています。理念を理解してもらうために、モノを売るのではない、プロセスを売るのです。
私たちの会社を例に挙げると、工場を持っているモノづくり会社として、途上国でいちばんいいレベルの労働環境を持った工場を目指しています。そのために、どんなプロセスを作ることが大事なのか考えた結果、工場のみんなが笑顔でいる写真集を自社で制作し、店舗で販売することにしました。
これでお客様に、自分が購入したバッグの向こう側にいる作り手たちの笑顔を見ていただけるようになりました。
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