”食のクールジャパン”を世界に売り込む男 日本の外食は世界で稼げるのか?
日本の外食が世界で稼げるプラットフォームを
シンガポールの中心部に計画されているジャパンフードタウンは、約20店舗の日本食の店が入る予定になっている。一般社団法人日本外食ベンチャー海外展開推進協会にとっても、クールジャパン機構にとっても、最初の取り組みの一つだ。
チャイナタウンは世界中にあるが、ジャパンタウンはあまりない。日本外食ベンチャー海外展開推進協会の吉川誠人理事長はこう語る。
「日本の食文化が国を開くのはこれから。日本のよさで外貨を獲得する、いわば“食のクールジャパン”です。その呼び水として、今回のプロジェクトは非常にいいタイミング。明治維新ぐらいの大きなチャンスだと思っています」
味にもサービスにもうるさい日本人を満足させている日本の飲食店はレベルが高い。にもかかわらず、海外出店は必ずしもうまくいかず、撤退して帰ってくるケースが少なくない。その背景には、日本の食材の調達、質の高いサービスを提供するための人材の確保、法律の壁など、共通の問題があるという。
「一店舗ずつ、一社ずつ単体で交渉しても難しいので、今回は、みんなのノウハウと知識を集めたオールジャパンの強いチームを作り、出て行って勝つという狙いです。今は、海外企業と対等に戦えないようなルールがあるので、政府などと一緒に法改正もしていく。日本の外食企業が海外で稼げるプラットフォーム、仕組みを作りたい」
日本の外食マーケットの規模は23兆円。人口減少で縮小し、競争は激化している。しかし、世界に目を向ければ、数百兆円のマーケットが広がっている。
「目の前に巨大なマーケットがあって、それを切り取っていける。面白すぎて夜も眠れません」
世界遺産に登録された和食のすばらしさは海外でも認められているし、日本は優良な食材の生産基地になっている。日本にいても未来は明るいと吉川氏は言う。
「日本はGDPの2倍の借金があり破産寸前です。でも、悲観していても仕方がない。日本にはいいコンテンツがあるのだから、守るより攻めたほうが豊かになれます。優良なコンテンツと日本人の勤勉さで海外に出ていけば、もっともっと稼げるはず。政官民が団結してムーブメントを起こすほうが、みんながハッピーになれます。可能性があるなら、やってみたほうが面白い」
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