中高生が「背を伸ばすには牛乳」だけではNGの理由 カルシウムを「失う」食習慣をしていませんか
牛乳は優秀な「カルシウム源」だが…
骨を伸ばすのはタンパク質。骨を丈夫にするのはカルシウム。これをビルにたとえると、タンパク質は骨組みとなる鉄筋をつくる仕事をし、カルシウムはコンクリートのように固める仕事をします。いかに高~く、強い骨をつくるかは、栄養の量と質に関わってくるのです。大人よりもタンパク質を必要とするきみたちは、カルシウムもそれに比例してたくさんとる必要があります。
そこで、よく話に出てくるのが牛乳ですよね。もちろん牛乳は優秀なカルシウム源ですが、飲みすぎたらアウト!これが栄養学の落とし穴だといわれています。牛乳は、乳糖やカゼインといった分子が大きいタンパク質からできており、腸で吸収のトラブルを起こすこともあるため、特に腸の弱い子どもは牛乳貧血を招くといわれています。貧血を起こすと、骨の軟骨や血液の量を増やすことができなくなります。ガブガブ飲んでは、マイナスになりますね。
また、ごはんのときにかまずに牛乳で流し込んでいる子もたま~にいますが、消化にはとても悪いです。ごはんはよくかんで、唾液で最初の消化をさせてください。
さて、タンパク質の多い食事は、尿中からカルシウムが多く排泄されるので、成長期には、「多めのタンパク質には多めのカルシウム」という簡単な法則があります。成長時期に合わせて食べる量が変わるときですから、タンパク質とカルシウムの比率は、タンパク質が50gに対してカルシウムは1000㎎。タンパク質が60gとすればカルシウムが1200㎎と考えて、メニューに取り入れるとよいでしょう。
現在の日本人の食事は以前よりタンパク質の摂取量が減っており、1950年代とほぼ同じともいわれています。加えて、日本人のカルシウム摂取量はいまだに600㎎を超えたことがなく、世界から見ても日本人に最も足りていない栄養素だといえるのです。アメリカの基準では、11~18歳までのカルシウム摂取量は1200㎎ですから、半分もとれていません。成長期の今は1000㎎超えを目指し、毎食意識して取り入れましょう。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら