中高生が「背を伸ばすには牛乳」だけではNGの理由 カルシウムを「失う」食習慣をしていませんか

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肉は骨をつくるとてもよいタンパク質ですが、忘れてはいけないのがカルシウムリッチな魚介類のタンパク質。大切な動物性のカルシウム源です。特に、小骨まで食べられるどじょうはカルシウムの宝庫ですが、自宅では手軽に食べられないので、チャンスがあればチャレンジしてみてください。

ほかには、煮干しや、ししゃも、わかさぎ、いわしなどは骨まで丸ごと食べられるのでおすすめ。わかさぎは骨まで丸ごと食べられるよう調理し、いわしは骨ごとだんごにしてハンバーグやつみれ汁にしてみましょう。また、干しえびやごまなどもリン酸カルシウムの宝庫です。これをほかのカルシウム食材と合わせて、卓上ふりかけにして常備することをおすすめしています。

意外にも、日本食に欠かせない大豆製品にはリン酸カルシウムが豊富です。そして、植物性のタンパク質です。これで、カルシウムリッチなメニューがたくさん作れそうでしょう? 大豆製品と乳製品、大豆製品と魚の組み合わせは、オリジナルで工夫してみてください。

日本人がみそ汁を飲まなくなるなど、大豆離れが起きたことで、今までと違う病気も増えています。特にこの組み合わせは、子どもたちだけではなく、お母さんたちの骨粗しょう症、お父さんたちの男性更年期予防にも効果的な組み合わせです。家族それぞれが違う目的なのに、みんなが同じメニューで健康にもなれます。週末の定番にしてほしいです。背伸ばしカルシウムメニューは、お父さん、お母さんの若返りメニューにもなり、家族を丸ごと元気にしてくれそうです。

菜食主義の人は?

カルシウムは野菜に含まれているので大丈夫、と話す菜食主義の人は要注意です。

『中高生の身長を伸ばす7つの習慣』(主婦の友社)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

小松菜、モロヘイヤ、たけのこ、ほうれんそうなどに含まれるシュウ酸カルシウムは、腸管から吸収されにくく、腎臓を通って尿に排泄される過程で石になる原因とされています。尿路結石のうち腎臓でできた石は腎結石、尿管でできた石は尿路結石、膀胱でできた石は膀胱結石です。痛そうな名称がつきますね。

そこで野菜は、カルシウムの摂取を期待するよりも、食物繊維やカロテンなど別な栄養素の食材として理解し、カルシウムのとり方を工夫しましょう。シュウ酸が多い食材でも、動物性タンパク質やリン酸カルシウムと組み合わせ、シュウ酸だけが腸に行かないようにすれば大丈夫だということが報告されています。それがわかっているだけで、栄養学的なレシピになります。

佐藤 智春 予防栄養コンサルタント

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予防栄養コンサルタント、バイタルアナリスト。分子整合栄養医学協会認定・分子整合栄養アドバイザー。バブル期にスタイリストとして多忙を極め、体調をくずしてダウン。その後、「自分の健康は自分が守る」と決意し、セルフメディケーションを目的として分子整合栄養学を学ぶ。1995年より、悩める子どもたちを含む多くの相談者へさまざまな提案を行い、栄養療法の実績を積んでいる。著書に『卵を食べれば全部よくなる』(マガジンハウス)、『男は食事で出世させなさい』(ポプラ社)など。

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