中高生が「背を伸ばすには牛乳」だけではNGの理由 カルシウムを「失う」食習慣をしていませんか

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またストレスの度合いによって、カルシウムが吸収されにくくなることも知っておくとよいでしょう。ストレスといえば、受験など勉強におけるストレスはこの時期には避けられないでしょうし、必要なものですが、ゲームなどで意味のない時間を費やすこともストレスになります。それはとても無駄です。どちらに優先順位をつけるかは、自分で考えること。

いろいろな場面で“選ぶ”という感性を今から磨くとよいですね。環境の違いがあっても、いろいろな食材から1日の総合量をしっかり食べる工夫を、お母さんといっしょに考えましょう。まずは、吸収のよいカルシウム食材を明確にしましょう。

乳製品のおすすめは?

乳製品のおすすめは、牛乳コップ3杯とチーズ。牛乳のとりすぎはいけませんが、やはり吸収率のよいカルシウムを摂取するには、乳製品で毎日工夫することです。リンの80%はカルシウムと結合し、骨や歯の材料として大切なので、カルシウムの吸収を考えたときに優れているのは、リン酸カルシウムです。リンが不足すると発育不全になったり、骨がやわらかくなったりします。

ただ、あまりにとりすぎるとカルシウムが排泄されるので、先ほどもいいましたが、リンが多く含まれる加工食品やジャンクフード、インスタント食品のとりすぎには、くれぐれも注意すること。また、リン過剰の原因であるスナック菓子やスイーツ、なかでもチョコレート菓子、便利なレトルト食品なども、長期的に食べるとカルシウムを排泄させるサイクルになっていきます。成長期には手作りがいちばんです。

しかし、たまに驚きの質問があります。チーズがよいといえば、「冷凍ピザは?」。これも冷凍食品という加工食品です。冷凍食品もリンや化学塩が多いので、お母さんたちは可能な限り手をかけて。そして、きみたちは、ジャンクフードやインスタント食品で済ませないことを心がけてください。

冷凍食のアイデアとしては、薄く小さいピザ生地や餃子の皮にトマトソースかトマトケチャップ、ナチュラルチーズをのせて冷凍し、食べるときに好きなトッピング、たとえば、えびやソーセージなどをのせてフライパンで焼くと、カリカリミニピザが簡単にできるので提案しています。いつでも手軽に作れるおやつを冷凍食のレパートリーにしてください。

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