戸田恵梨香・水川あさみの抗議が映すメディアの影 これほどの強い言葉がつづられたのは一体なぜか

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しかし、見出しの作り方以上に問題なのは、「雑誌記事をウェブ版にそのまま流用してしまう」という行為そのもの。これまで女性週刊誌やタブロイドなどの芸能記事は、読者層が限定されていることから、「この媒体だからまあいいか」「どうせ噂レベルの話だろう」「相手にしなければいい」などとスルーされてきた歴史がありました。

しかし、無料で気軽に見られるウェブに版流用したことで、良くも悪くもあらゆる層にリーチすることになります。さらにその読者たちが「週刊誌だから」「タブロイドだから」というニュアンスを理解しているとは限らず、「本気で信じてしまう」。あるいは「面白半分で拡散してしまう」という状況がこの何年か続いていました。

波及力がここまで異なる以上、週刊誌もタブロイドもウェブ版にそのまま流用するのではなく、より事実に基づく内容のみに絞った形に編集して配信することが求められているのではないでしょうか。しかし、「それではPVは稼げないし……できれば雑誌記事のようなスタンスで読んでほしい」という本音がうかがえるのです。

「これもエンタメ」は通用するのか

10月28日の「めざまし8」(フジテレビ系)でMCの谷原章介さんは、「僕は男なので正直あまり気にしないといいますか。注目されないのでたいしたことは書かれないんですけど」と前置きしながらも、「どこか『あれ(週刊誌の記事)はフィクションの世界だから』って僕なんかは思っているんです」「僕に来た時はなるべくユーモアを持って切り返したい」などとコメントしていました。

しかし、今の時代に性別や注目度の大小は理由にできないでしょう。ましてや「ユーモアで切り返すかどうか」は、個人の見解、報道の内容、拡散のされ方によるところがあり、戸田さんと水川さんの苦しさや勇気を理解しているとは思えないコメントでした。

また、同番組にコメンテーターとして出演していたEXIT・兼近大樹さんも、「ただ足引っ張って嫌な思いをさせるんじゃなくて、何かエンターテインメントとして消化できるんだったら僕は万々歳。仕事も増えるし、『そっち側(週刊誌)も楽しくできるんだったら』っていう気持ちがある」などと語っていました。

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