戸田恵梨香・水川あさみの抗議が映すメディアの影 これほどの強い言葉がつづられたのは一体なぜか

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さらに上野さんのコメントは、「水川あさみちゃん、戸田恵梨香ちゃん、偉いよ!最高だよ。私もつらい時期あったよ。なんか知らないけど長澤まさみちゃんと仲悪いとか共演NGとかさ。意味わからない事たくさん。でも、自分で発信できる世の中もう週刊誌への温度感も変わってきているんじゃないかな?同業者として心強いよ」

問題の記事は不仲だけではなかった

これほどの強い言葉がつづられたきっかけは、戸田さんと水川さんの不仲を伝える女性週刊誌の記事でした。また、不仲の理由を「水川さんの言動が不可解なものに変わり、戸田さんが避けるようになったから」と断定したことも怒りを誘ったのではないでしょうか。さらに記事の中には、戸田さんが「連続ドラマと映画を降板したこと」「その理由が精神的な不調によるものであること」「長期休養になる可能性があること」なども書かれていました。

連続ドラマと映画の降板は以前、別の女性週刊誌が報じたものであり、さらにスポーツ紙やタブロイド紙などが妊娠説や適応障害の可能性などを報じたこともあって世間の人々に拡散。一方の水川さんも週刊誌やタブロイドに「(夫の)窪田正孝が水川あさみとの結婚で人が変わり舞台をドタキャン」「水川あさみの影響で窪田正孝がコロナに関する独特な持論」「スピリチュアル傾倒か」などと報じられてきました。

これらはすべて今年報じられたものであり、水川さんが「事実無根だと言っても強行突破で発売され、その後の追い記事にもかなり目に余るものがある」とコメントしている点も含め、怒りの声をあげるのは当然でしょう。実際、水川さんの所属事務所も、「名誉・イメージを毀損するものとして法的措置も辞さない」という姿勢を明らかにしました。

ネット上には、一部に「有名税で仕方ない」「週刊誌の人も仕事」などの声があるものの、戸田さんと水川さんを支持し、報じた週刊誌を批判するものが大半を占めています。なぜ個人の尊重が叫ばれ、誰もがネット上で発信できるようになった令和の今、このようなことが起きてしまうのでしょうか。

背景に売り上げ減とデジタル移行の遅れ

「戸田さんと水川さんが苦言を呈したであろう」と思われる記事を今年配信したのは、主に3つの女性週刊誌が手がけるウェブサイト。また、女性週刊誌に追随した記事を書くことの多いタブロイド系のウェブサイトや、中小規模のウェブ専門メディアなどに対しても、同じような思いを抱えていることは想像に難くありません。

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