100円寿司と高級店、1つだけある「同じネタ」 ヤバい「1万円高級寿司」の裏側【中編】
河岸:寿司は、君の食べたいものを頼みなよ。
N君:(職人さんに向かって)じゃあ、マグロとサーモンと玉子をお願いします。マグロはトロと赤身、両方で。
河岸:いかにも回転寿司っぽいラインナップだね(苦笑)。
寿司は手で食べるのがマナー
N君:読者の人に身近なネタを選んでるんですよ(笑)。サーモンなんて好きな人が多いですからね、僕もいつも頼みますし。あっ、まずはマグロから来ました。あれぇ? 寿司を手で食べるんですか? 河岸さんこそ、なんかちょっと下品ですね(笑)。
河岸:何を言っているの、寿司は本来、手で食べるのがマナーなの。そもそも職人が素手で握ったものを食べるわけでしょ。それに、寿司は手が食べたほうがおいしく食べられるの。
N君:えっ? 寿司は箸よりも手が食べたほうがおいしいんですか?
河岸:そのとおり。寿司をこうやって手で持って、上下にひっくり返して、ネタに醤油をちょっとつけて、そのまま口に持っていくの。そのとき「ネタが舌に当たるように」食べるのがポイント。同じことを箸でやると、ネタがはがれたりして、うまく食べられないでしょう。だから手で食べるの。
N君:知らなかったなぁ。ちょっとやってみよう。
河岸:寿司の向こう側を持って、手前にひっくり返して醤油を少しつける。あー、そんなにドボッとつけちゃダメだよ。魚のおいしさが醤油でわからなくなる。醤油はちょっとつけるだけ。醤油を食べに来てるんじゃないんだから。
N君:確かに「醤油を食べに来ているわけではない」のは、そのとおりですね(苦笑)。こ、こうですか?
河岸:そうそう。そうやって食べるのと、箸で持ってシャリに醤油をつけて食べるのとでは、全然おいしさが違うでしょ。
N君:ホントだ、確かに違う気がします! 「寿司は手で持ってネタに醤油をつけて、ネタを下にして舌に当てるように食べる」のだったら、100円回転寿司でもどこでもできますよね。
河岸:もちろん。それが寿司をいちばんおいしく味わえる食べ方なの。回転寿司に行ったときにも、ぜひそうやって食べてみてほしい。「おいしい部分を舌に当てながら食べる」というのは食べ方の基本だから。
N君:なるほど。この辺の説明は、イラストで解説したほうがわかりやすいので、次回作の本にまとめるときは、イラスト付きでさらにわかりやすく説明しましょう!
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