「ドーナツキング」と呼ばれた男の波乱万丈人生 カンボジア難民がアメリカで栄光と挫折を知る

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映画『ドーナツキング』はカリフォルニア州を中心に、ドーナツチェーン店「クリスティ」を立ち上げたテッド・ノイの数奇な運命を描き出すドキュメンタリー映画だ(東洋経済オンライン読者向け「オンライン試写会」への応募はこちら) © 2020- TDK Documentary, LLC. All Rights Reserved.

無類のドーナツ好きとして知られるアメリカ人だが、全米で2万5000以上あるドーナツ店のうち、約5000店がカリフォルニア州で営業している店舗だと言われている。そして、その90%がカンボジア系アメリカ人によるものなのだという。なぜカリフォルニアにそうしたコミュニティーが形成されたのか? そのルーツをひもとくと、そこには無一文でカンボジアからアメリカに渡ってきた、ひとりの男の驚くべき人生が隠されていた――。

カンボジア難民がドーナツチェーン店で財を築く

『ブレードランナー』『ブラック・レイン』の巨匠リドリー・スコットが製作総指揮を務める映画『ドーナツキング』(11月12日より全国順次公開予定)は、かつて総資産2000万ドル(約22億円)の財を築き、全米で「ドーナツ王」と呼ばれたカンボジア人、テッド・ノイの数奇な運命を描き出すドキュメンタリー映画だ。

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この作品の製作総指揮を引き受けた理由について「テッドのキャラクターに惹かれたからだ」と語るスコットは、「この作品は、われわれが生きるこの時代に重要な意味を持つ映画と言えます。難民がチャンスを得たとき、何が起こるのかをこの映画は示してくれるのです」と本作の見どころについて語っている。

本作の主人公であるテッド・ノイは1941年生まれ。カンボジア陸軍に従軍し、タイに赴任していた。しかし、1975年、彼が33歳の時、急進的な共産主義勢力、クメール・ルージュが首都プノンペンを制圧し、帰るべき故郷を失ってしまう。国に戻れば殺されてしまうかもしれないという状況の中、テッドたち家族は難民としてアメリカに渡ることを決意する。

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