「ドーナツキング」と呼ばれた男の波乱万丈人生 カンボジア難民がアメリカで栄光と挫折を知る

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
映画『ドーナツキング』はカリフォルニア州を中心に、ドーナツチェーン店「クリスティ」を立ち上げたテッド・ノイの数奇な運命を描き出すドキュメンタリー映画だ(東洋経済オンライン読者向け「オンライン試写会」への応募はこちら) © 2020- TDK Documentary, LLC. All Rights Reserved.

無類のドーナツ好きとして知られるアメリカ人だが、全米で2万5000以上あるドーナツ店のうち、約5000店がカリフォルニア州で営業している店舗だと言われている。そして、その90%がカンボジア系アメリカ人によるものなのだという。なぜカリフォルニアにそうしたコミュニティーが形成されたのか? そのルーツをひもとくと、そこには無一文でカンボジアからアメリカに渡ってきた、ひとりの男の驚くべき人生が隠されていた――。

カンボジア難民がドーナツチェーン店で財を築く

『ブレードランナー』『ブラック・レイン』の巨匠リドリー・スコットが製作総指揮を務める映画『ドーナツキング』(11月12日より全国順次公開予定)は、かつて総資産2000万ドル(約22億円)の財を築き、全米で「ドーナツ王」と呼ばれたカンボジア人、テッド・ノイの数奇な運命を描き出すドキュメンタリー映画だ。

10月29日(金)~30日(土)に独占オンライン試写会を実施します(上記画像をクリックするとオンライン試写会応募画面にジャンプします)

この作品の製作総指揮を引き受けた理由について「テッドのキャラクターに惹かれたからだ」と語るスコットは、「この作品は、われわれが生きるこの時代に重要な意味を持つ映画と言えます。難民がチャンスを得たとき、何が起こるのかをこの映画は示してくれるのです」と本作の見どころについて語っている。

本作の主人公であるテッド・ノイは1941年生まれ。カンボジア陸軍に従軍し、タイに赴任していた。しかし、1975年、彼が33歳の時、急進的な共産主義勢力、クメール・ルージュが首都プノンペンを制圧し、帰るべき故郷を失ってしまう。国に戻れば殺されてしまうかもしれないという状況の中、テッドたち家族は難民としてアメリカに渡ることを決意する。

次ページドーナツショップとの出会い
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事