インドへの赴任者をどう確保するか? インド好きの若者と定年退職者を戦力化しよう
インド進出の日本企業は年々増加しており、今では1000社を超えている。先進国の景気回復が遅れていることから、日本企業は今後ますますインドを重視せざるをえない。しかし、インドは欧米とも東南アジアとも異なり、日本人にとっては過酷とも言える環境だ。インド赴任を避けたがる日本人ビジネスマンは少なくない。
重要エリアであるインドへの赴任者をどう確保すればいいのだろうか?
インドビジネスに詳しい株式会社ネクストマーケット・リサーチの須貝信一代表取締役に聞いた。同社はインド、南アジアの企業・金融・経済情報の提供のほか、インド進出支援コンサルティングなどを行っている。
--インド進出日系企業の駐在員が赴任するうえで本社側人事部が気にすべきこととして、メンタル面でのケアについてお聞きします。中国では、赴任して自殺するケースが増加して、一時期問題になりました。インドではこういったことは起こりうるのでしょうか。
インドで自殺という話は聞いたことはありませんが、今のところ中国と比較するとインドへの赴任者数は2桁少ないので何ともいえないと思います。ただ残念ながら、ふさぎ込んで引きこもってしまう人はいるようです。
家から一歩外に出ると、物ごいに囲まれたり、道を歩けばやたらと話しかけられたりします。これは、何でもない人には、何でもありません。慣れることができます。ただ、「普通のインド」になじめない人もいるということです。生活環境になじめず、ストレスを抱えながら自宅に引きこもって、ただ帰国の日を待ち侘びる人もいるようです。
私が聞いた中では、こういった方はIT系企業で多い気がします。現地の日本人会や商工会などにも顔を出しませんので、そういう事実自体があまり知られていません。また本人は、自ら進んでそういう体験を報告することもありません。