「前のチームでは練習日になるとお腹が痛いと言った子が、今のチームは明日練習だ、となると前の日から準備をするようになった。年間通せば、そんなに出費は増えていないし、わざわざ通う値打ちはある」と話す親もいる。
本来、ボランティアとは「自発的な奉仕」と言う意味だ。欧米ではビジネスよりもボランティアのほうが誠意、熱意が求められるとされる。金ではなくて使命感で動くほうが責任重大だという考えだ。
しかし日本のボランティアの中にはしばしば「金も貰っていないのに、好意でやっている」と思い込む人がいる。少年野球指導者にもそうした意識が見え隠れする。
スポーツに関する意識が高くなっている現在では、そうした次元の低いボランティア指導者では、子どもや親を満足させることは難しくなっている。それもあって昭和の時代から「強豪」「名門」と言われた少年野球チームが消滅するケースが全国で起こっている。
少年野球チームも淘汰の時代が到来
おりしも、大阪府堺市の少年野球チーム「堺ビッグボーイズ」の運営・指導を行うNPO法人BBフューチャーが、野球指導とチーム運営をする職員を募集している。理事長の阪長友仁氏は「少年野球はボランティアとして指導することが一般的と思われるかもしれませんが、われわれは職業として指導を行っています」と語る。
堺ビッグボーイズはこのコラムでも何度も紹介しているが、メジャーリーガーの筒香嘉智や西武の森友哉などの選手を輩出。200人近い子どもが通うボーイズリーグでも屈指の規模のチームだ。親、子どもともに満足度が非常に高い。父母やOBもサポートをしているが、指導は野球経験のあるプロの指導者が行っている。
競技人口の減少によって、少年野球チームも淘汰の時代が到来している。「プロの指導」によって顧客満足度の高い指導を行うチームに選手が集まり、旧弊な指導者のチームからは子どもが離れていっている。この現実をチーム運営者、指導者は受け止めるべきだろう。
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