「昭和型の野球指導者」と専属指導者の決定的な差 アマチュア野球にも求められる高いプロ意識

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しかし新しい指導法を学んでいる専属指導者は、けが予防の観点からもウォームアップを重要視する。だからこの段階から選手に注意を払う。体が硬い子がいれば、体の動かし方を教えるなど具体的な指導をする。また器具を使ったりして、つねにアップデートする指導者も多い。

画像はイメージ(写真:筆者撮影)

投げる、打つ、守るの練習の際も、大きな違いがある。従来の指導者の多くは、昔から自分たちがやってきた練習メニューをそのままルーティンでやることが多い。声をあげて叱咤することはあるが、選手に説明することは少ない。しかし、専属指導者は、選手に「この練習の目的」「身体を動かすときのポイント」などを詳しく説明することが多い。

さらに従来の指導者は、エースや主軸打者など見どころのある選手を中心に指導することが多いが、初心者やうまくない子どもには、あまり声を掛けない。放っておかれる子どももいる。

しかし専属指導者は、主力選手だけでなく、子ども一人ひとりに声をかけ、それぞれの子どもがそれぞれのレベルで成長するように指導する。子どもはみんな月謝を払っている。専属指導者はその月謝を報酬にしているのだから、すべての子どもに目配りをするのは当然のことなのだ。

従来の指導者と選手の関係は「師弟関係」

また専属指導者の多くは、指導法をアップデートするために日々学んでいる。講習会やセミナーに行くことも多い。またケガや故障など医療面の知識も仕入れている。プロ意識が高いのだ。

平たく言えば、従来の指導者と選手の関係は「師弟関係」であり、指導者が選手を下に見ているが、専属指導者と選手の関係は「サービス提供者とクライアントの関係」であり、専属指導者は「クライアント」である選手、親を満足させようと努力をするのだ。

有償で選手を指導する専属指導者がいる少年野球チームは、まだ非常に少ないが、多くは評判が良く、選手数が増えている。しかし、絶対数が少ないので、サッカーのように一般的な選択肢にはなっていない。そのために評判を聞きつけて、わざわざ遠くから親の送り迎えでチームに通っている子どももいる。

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