村上春樹を読み「仕事を忘れる時間」を持つ理由 「インテグリティ」を培う「学び直し」の勉強法
「歴史は繰り返す」という言葉があります。実際に繰り返すわけではありませんが、人間の営みは一定の幅の中での振り子のようなところもあります。だから歴史を知っていると、それを現在に当てはめることで、ある程度先行きを予測できるようになる。
それには歴史の大きな流れをつかむことです。1つひとつの小さな出来事はあまり気にしなくていい。それより長期的に続く大きな波を意識することです。今は先が読めない時代ですから、そういう「歴史観」というか「大局観」のようなものが自分の「物差し」になるはずです。
経済や政治について自分の意見を持つためには、過去の歴史や経緯を学んで、「なぜ今のようになってきたか」を知る必要があります。
そのうえで心得ておきたいのは、経済や政治など社会的なトピックに関しては、自分とは違う見方をする人が絶対にいるということです。立場が違えば、見えるものも違うからです。それをしっかりと理解したうえで、「今後はどうなっていくのか」「私はこう思う、なぜならば」ということが言えないといけない。それがインテグリティのある人だと思います。
物差しを持つためには新聞、雑誌を幅広く読む
目先に起きた現象だけを見て、「これはいい」「あれはダメ」と言っていると、一貫性に欠けます。長い時間軸で見たときに、自分の考えが正しかったと思えるようになる、いわば勝率を上げるためには、「蓄積」が重要です。新聞や雑誌を自分の考えとは異なる論調のものも含めて幅広く読み、自分なりに世の中はこうなると予測することを、続けることです。続けているうちに、だんだん正しい予想ができるようになってきます。これには10年か20年はかかるかもしれません。
しかし時間は有限ですから、すべての情報に目を通すのは不可能です。最初に自分のフレームワークを決めて、仕事に関連の深い分野のトピックをいくつか定点観測するといいでしょう。
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