村上春樹を読み「仕事を忘れる時間」を持つ理由 「インテグリティ」を培う「学び直し」の勉強法

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私がバイクに乗っていたのは、2時間か3時間、バイクに乗っていると、その間だけは仕事のことが頭から抜けているからです。もちろん家に戻ってくると「ああ、まだあのことがあったんだ」と思い出すけれど、たとえ数時間だったとしても、完全に忘れたということが、心身の健康を保つにはいいのです。

村上春樹さんの本を読むこともそうです。彼が描くのは、表面的には現実とは違う世界であることが多い。その中にひたりきって出てくると、2時間前、3時間前に行き詰まっていた自分とは違う自分があるのです。

仕事をしていたら、悩むのは当然です。それは人間関係かもしれない。相手が理不尽なことを言ってくるかもしれない。自分の能力が及ばず、失敗したりミスをしたりすることもある。だけれども、何時間もそのことを考えていても仕方がありません。とくに土日は、月曜日にならないと何もできないのだから、考えるだけ無駄です。だからそのときは違うことをやったほうがいい。

人間の頭は面白いもので、ずっと悩んでいたら、どんどん自分を精神的に追い込む方向に考えてしまうけれど、たとえ2時間でも違うことを考えることができれば、改めて健全な判断ができる。自分自身を離れて俯瞰すると、悩んでいた問題も意外に大した問題ではないと思えるものです。

また、趣味を通じて、仕事関係以外のコミュニティーが持てるというのもすばらしいことです。仕事に直接関係ない人たちが公私にわたって助けてくれることは、けっこうあります。

趣味の仲間が、仕事で助言をくれたり、誰かを紹介してくれたりということもあるけれど、やはりその人たちと過ごすことによって自分がリフレッシュすることの価値は計りしれません。それに仕事関係の人とはまったく違うものの考え方に触れることは、人間の幅を広げてくれる。「ああ、そういう発想があるんだな」という発見が、自分の仕事の考え、アイデアに戻ってくることは少なくありません。

歴史を学び、歴史観を持つことが重要

先ほど、これからは語学と歴史を学ぶ必要があると言いましたが、なぜ歴史を学ぶべきかと言えば、過去を知ることで、未来が予測できるようになるからです。

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