村上春樹を読み「仕事を忘れる時間」を持つ理由 「インテグリティ」を培う「学び直し」の勉強法

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1年に1つ、自分で掘り下げられそうなものを取り上げて、とりあえずやってみる。1年目でけっこうやれるのであれば、それに続けて、2つ目を足してみる。リタイアまでに10年猶予があれば、3つくらいは、本当にこれが趣味だと人に言えるようなもの、その世界でちゃんと仲間と交われるようなものができている。逆に言えば、そういうふうにしておかないと、60になって趣味を始めますと言っても、お仲間は誰もいないよと言われました。

では具体的には何から始めるかと言えば、20代のころにかじっていたことがいい。若いころはお金もないし、時間もないから、そのままにしているものがある。そういうものから始めたほうが、とっつきがいいと教えてくれました。私が大型バイクに乗り始めたのは、こういう理由もあるのです。

そういう意味では、20代、30代のうちに、何か仕事以外のことに触り始めておいたほうがいいと思います。おそらく若いときは、本当に時間もお金もないから、なかなか突き詰められない。突き詰めるというレベルまで到達するには、お金がないとできないことも多いものです。

仕事ももちろん大事ですが、ぜひ本格的に人に誇れるようなレベルの趣味を持ってほしいと思います。趣味に真剣に打ち込むことは、インテグリティを養ってくれるのです。

「仕事を忘れる時間」を持つことも大切

趣味に実益を求めすぎるのもよくないと思いますが、仕事以外にも夢中になれることがあると、自分を救ってくれます。基本的に、仕事というのはうまくいかないことが多いものです。傍目からは順調に見える人でも、問題を抱えていたり、失敗して悩んでいたり、葛藤を抱えていたりする。だから人生で仕事しかしていなかったら、精神を病みかねません。

次ページ数時間でも、完全に忘れるということが心身にいい
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