東大エリートの劇的変化から見える日本の行く末 山本康正×小島武仁「資本主義の未来」(後編)
若手ビジネスパーソンに求められること
山本:新しいテクノロジーというのは、ほとんどの場合は危機感があるときにしか導入されません。でも本来であれば、経済合理性の観点からもベンダーロックインが進む前、平常時からつねに新しい技術をつねに取り込み続けていくべきです。研究者も企業も自治体も、つねにアップデートをしていく姿勢が今後はさらに求められるでしょう。
小島:山本さんも強調されていることですが、自然科学的な技術から社会科学的な技術まで、広い意味でのテクノロジーに対してオープンマインドでいることは非常に大事だなというふうに思います。
最近は企業が従業員に対して「明日から離島に単身赴任してください」というような辞令を出しづらくなりましたよね。では従業員の希望をかなえつつ、会社としてうまく事業を回していくにはどうしたらいいのか。これまでほとんどの企業は人力でその問題を解決していたと思うのですが、マッチング理論に基づいてアルゴリズムの形で自動化することで、ちょうどいいフレームワークが作れるのではないか、という研究を今進めています。目を凝らせばそういったいろんな取り組みがありますから、ぜひアンテナを張っていただきたいなと思います。