東大エリートの劇的変化から見える日本の行く末 山本康正×小島武仁「資本主義の未来」(後編)

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ベンチャー投資家として活躍する山本康正氏(写真:右)と、アメリカ・スタンフォード大学帰りの気鋭の経済学者・小島武仁氏との対談で語られたこととは?
企業の存在が社会課題の解決に求められる今、東大生の進路選択にも大きな変化が起きているという。これまで企業と学生、若手とベテランの間に横たわっていた情報の非対称性がテクノロジーの発達によって解消されつつある中で、生き残る企業と淘汰される企業の分岐点となるものは何か? 
本稿はベンチャー投資家として活躍する山本康正氏の『世界を変える5つのテクノロジー――SDGs、ESGの最前線』より、アメリカ・スタンフォード大学帰りの気鋭の経済学者・小島武仁氏との対談から一部抜粋して紹介する。
前編:日本で流行する「脱成長論」は正しい選択肢なのか

若手ビジネスパーソンに求められること

山本:新しいテクノロジーというのは、ほとんどの場合は危機感があるときにしか導入されません。でも本来であれば、経済合理性の観点からもベンダーロックインが進む前、平常時からつねに新しい技術をつねに取り込み続けていくべきです。研究者も企業も自治体も、つねにアップデートをしていく姿勢が今後はさらに求められるでしょう。

小島:山本さんも強調されていることですが、自然科学的な技術から社会科学的な技術まで、広い意味でのテクノロジーに対してオープンマインドでいることは非常に大事だなというふうに思います。

最近は企業が従業員に対して「明日から離島に単身赴任してください」というような辞令を出しづらくなりましたよね。では従業員の希望をかなえつつ、会社としてうまく事業を回していくにはどうしたらいいのか。これまでほとんどの企業は人力でその問題を解決していたと思うのですが、マッチング理論に基づいてアルゴリズムの形で自動化することで、ちょうどいいフレームワークが作れるのではないか、という研究を今進めています。目を凝らせばそういったいろんな取り組みがありますから、ぜひアンテナを張っていただきたいなと思います。

次ページこの例もサステナビリティーの文脈で捉え直すことが可能
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