コロナ対策で本当に必要なのは「実践」できる人材

「戦術レベル」で実行できる人は意外に少ない訳

これらに共通する資金に関連する結論および提言として、(1)将来のパンデミックに対して、備えと危機時の対応の両方の資金が必要で、その額は年間50億〜100億ドルであること、(2)危機時には、WHOによる緊急事態宣言に伴い、即座に支援できるよう、事前に調整・合意をしておく必要があること、(3)世界の国々にそれぞれの経済力に応じた資金調達を求めるも、政府開発援助以外の資金調達方法も検討していくこと、(4)この資金調達や管理のために新しい「組織」は創設せず、新たな「ファシリティー」や「メカニズム」を通じて、世界銀行やグローバルファンドなど既存の国際機関が資金を仲介または管理する体制を検討することなどである。

経済的打撃が残る中、いかに資金調達するか

過去には、このようなパンデミックへの備えに対して、世界全体の政府開発援助の1%未満(年間4億ドル弱)しか支援してこなかった。今後、その10〜20倍以上の資金を、ほかの開発援助課題が多い中、またコロナ禍による自国の経済的打撃が残る中、いかに調達するか、今後の動向に注目が集まる。

特に2021年6月にイギリス・コーンウォールで開かれたG7サミットでは、将来のパンデミックに備え、ワクチン開発や治療法の確立にかかる期間を100日以内に短縮することを盛り込んだ「カービスベイ保健宣言」が合意された。これを実現するには、資金のみならず、世界の叡智と技術をいかに結集し、臨床試験を含むさまざまなプロセスを国際連携で迅速に行えるか、いかにデータや情報を透明化・共有し、知的所有権などの問題をうまくクリアするか、などがカギとなる。

また、研究開発後の製造、公平な配分、現場での迅速なサービス提供もしっかり準備・計画する必要がある。特に、感染症危機管理のキャパシティーの不足する国での戦略・作戦・戦術づくり、人材育成、サーベイランスを含む情報システムやサプライ・システムの強化などに関する支援は重要である。

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