副業ではなく、「複業」こそ人生を豊かにするワケ 視点さえ変えれば誰でも「複業家」になれる

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「副業」ならぬ「複業」の人生における効用とは?(写真:FluxFactory/iStock)
「複業家」とは、1つの仕事だけでなく、いくつかの仕事を掛け持ちしながら働く人のことで、「パラレルワーカー」とも言われる。金銭的にも精神的にも安定する働き方として、コロナ禍以降さらに注目度が高まっている働き方だ。
そのパイオニアとして知られる中村龍太氏は、現在、IT企業で週4日働きながら、自営の農家で人参を育てたり、依頼があればドローンで動画撮影をしたり、パエリアづくりを教えたりもしている。なぜそんな多彩な仕事をしているのか。中村氏の著書『出世しなくても、幸せに働けます。 複数の仕事で自分を満たす生き方』から、その効用を解説してもらった。

誰もがみんな複業家

「今の仕事にやりがいを感じない」「まだ天職に出合えていない」と悩んでいる人が少なくないそうです。実際、僕の講演会や勉強会にも、仕事やキャリアの悩みを抱えている人が参加します。そして、口を揃えて「複業って楽しそうでいいですね。僕も龍太さんのように、農業をやりながら、IT企業に勤めるような働き方をしたいです」と言ってくるのです。

そんなとき、僕は次のように返事をします。「皆さん、すでに複業家なんですよ」と。すると、大概驚き、「いえ、違います」と否定します。

いやいや、本当に誰もがみんな複業家なんですってば!まだそれに気づいていないだけで。誰でも複業家のタネ、素質を持っているのです。あとはどうやってそのタネを芽吹かせて育てるか、だけなんです。僕は自分がすでに複業家だったと気づいたことで、幸せになれました。会社員時代、お先真っ暗だった僕の人生は、複業を通して彩り豊かになりました。

こうやって、僕が複業の良さを力説すると、「でも、1つの会社に勤めているだけでも忙しいのに、何個も掛け持ちするなんて絶対に無理です」という反応を示す人も少なくありません。また、「仕事を複数抱えて、頭が混乱しないのですか?」という質問も僕の元に届きますが、僕は混乱どころか相乗効果しかないと思っています。

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