副業ではなく、「複業」こそ人生を豊かにするワケ 視点さえ変えれば誰でも「複業家」になれる

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僕が複業を始めたのは今から約8年前、まだ「複業」よりも「副業」の知名度のほうが高く、よく混同されていました。当時は僕自身もその違いを明確に区別しておらず、「副業」という言葉を使用していたこともあります。

そのときは、週4日勤務するサイボウズの仕事がメインの業務で、業務委託先のダンクソフトの仕事は副業という位置づけでした。そうした働き方を始めた動機は収入補塡でした。

でも今なら、「副業」と「複業」は明確に違うと断言できます。

副業とは、個人が本業のかたわら、休日などの時間を使い本業以外で仕事をして副収入を得ること。一方の複業は、個人が複数の仕事を掛け持ちしている状態を指します。「パラレルキャリア」「マルチキャリア」とも言われます。

2つの決定的な違いは、副業が本業の収入を補塡するサブ的な仕事という位置づけであるのに対して、複業はすべての仕事の位置づけが並列ということです。

また、複業で得られる対価は金銭とはかぎりません。収入がなくても、自分らしい経験を積めたり、スキルや信頼を獲得できたりすればいい。「何らかの価値創造につながっている」と自分が思える活動なら、その時点で複業なのです。僕にとっては、この違いは非常に重要です。

「複業なんてできない」はたいてい思い込み

きっと「自分らしい経験」「価値創造につながる活動」と聞いてもピンとこない人がほとんどでしょう。でも、「なんだか難しそう」「自分とは遠い世界の話だなぁ」と思ってほかの記事に飛ぼうとしたあなた、ちょっと待ってください!

「価値創造」などと、かっこいい言葉を選びましたが、実はゴミ出しや犬の散歩だって、価値創造活動の一環なのです。大事なのは、その活動に対して、自分なりの「工夫や視点」を加えているかどうか。自分という「価値」を、その活動に乗せているかどうか、です。つまり、「どんな活動をやるか」ではなく、その活動を「どうやるか」「どう価値化するか」が重要なのです。

たとえば、あなたが人よりも早くきれいにゴミ出しができたとしましょう。そのコツを自分なりに分析して、その方法を人に教えられるようになったとしたら、ゴミ出しだって、立派な価値創造活動です。同じような考えで、家事を効率化して独自のノウハウにまとめた人は、実際に「お片付けのプロ」や「時短料理のプロ」として、世に出て活躍しています。

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