若いリスナー急増「ラジオ復権」導いた3つの要素

人気パーソナリティの番組分析でわかったこと

さらに、2020年に設立10周年を迎えたラジコは、同年4月に利用者が月に910万人を記録した。利用時間で伸びているのは午前9時~午後6時の時間帯というから、在宅作業をしている人が仕事をしながら聴いていたのだろう、ということが想像できる。

また、有料の「ラジコプレミアム」の会員数も、約90万人に達したという。たしかに最近、地方のラジオ番組をラジコで聴いていると、東京をはじめ、まったく別の地方のリスナーからのメッセージが紹介されるといったケースが増えている実感はある。

個別の番組もリスナーの増加を認識

データだけでなく、個別の番組も感触として、リスナーの増加を認識しているようだ。大阪市のFM COCOLOでは、大阪府に初の緊急事態宣言が出された2020年4月上旬、「新たに聴き始めた」「聴いていたがリクエストをするのは初めて」といったメールなどの反応が、急激に増えたという(読売新聞大阪本社版・2020年7月11日夕刊)。

TOKYO FMの「Skyrocket Company」ではコロナ禍を受け、番組終了後、不定期に「オンライン飲み会」を開催しているが、ときには参加者が1万人以上になることもあるという(同東京本社版・2021年5月24日夕刊)。

若い層でも、17歳の女優・奥森皐月が「週に30時間聴く」とラジオ好きを公言。また2020年のラジコによる調査では、15~19歳の若者のうち約3割が「コロナ禍以降にラジコで番組を聴き始めた」という。個人的な感覚だが、職場などでも20~30代から「日常的にラジオを聴いている」という話をよく聞くようになった。

そこで思い出されるのが、2020年度のギャラクシー賞DJパーソナリティ賞を受賞した落合健太郎だ。自身の番組「ROCK KIDS 802」(FM802)で、コロナ禍で行事のイベントが相次いだ若者たちに向け、「ラジオで卒業式」を企画し、門出を祝った。コロナに振り回されたこの年に、落合がDJパーソナリティ賞を受賞したのは、ある意味、非常に象徴的ともいえる出来事だった。

ではなぜ、コロナ禍でラジオは力を見せつけているのか?

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