「チバニアン」の時代、地球はどんな姿だったのか 祖先である現生人類が生まれたその時代
それが今から260万年前から氷期に北極で氷ができはじめ、氷期─間氷期サイクルが約4万年にのびた。そこからの時期を第四紀とよんでいる。その後、約90万年前〜70万年前にかけて、氷期─間氷期サイクルがさらにのび、約10万年間のリズムを刻むように変わった。そして氷期には北極の氷がぶ厚く成長し、海面が100メートル以上も下がるようになった。チバニアンとは、そんな時代だ。
チバニアンという時代は、今この地上で生きている僕ら現生人類が生まれた時代でもある。また、今は絶滅してしまったジャワ原人や、現生人類の近縁種とされるネアンデルタール人が、僕らの祖先と共存していた。ちなみに、ジャワ原人などの原人は約190万年前にアフリカで誕生し、約130万年前ごろアジアまで広がり、チバニアンが終わってすぐに絶滅したとされている。
人類の化石が地層の中から見つかりにくいワケ
こうした研究も、たくさんの化石が見つからないと進まない。しかし人類もふくめて、陸にすむ動物の化石は地層の中に残りにくい。
なぜなら、陸上で動物が死ぬと、すぐにほかの動物などに食べられてしまうからだ。骨はしばらく残るが、土の中では雨水にとかされたり、バクテリアに食べられたりして、長い年月のなかではほとんどが分解されてしまう。さらに陸地では、地層がたまるよりけずられることのほうがはるかに多い。だから人類の化石が地層の中から見つかることはめったにない。
数少ない化石の研究からわかったことは、現生人類が生まれたのが約30万年前で、約4万年前に絶滅してしまったネアンデルタール人はそれより少し前の、約50万年前に生まれたらしいということだ。
だから、チバニアンという時代のなかごろから終わりには、ネアンデルタール人と現生人類がともにくらしていたことになる。
最近行われた遺伝子の研究によると、僕らの遺伝子の数パーセントは、ネアンデルタール人からきたものとわかっている。だから、僕らの遠い昔の祖先には、ネアンデルタール人もいたということだ。
チバニアンとは、今僕らが見ているこの世界がつくられ、今につながっている時代なのだ。
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