「チバニアン」の時代、地球はどんな姿だったのか 祖先である現生人類が生まれたその時代

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ところが、チバニアンがふくまれる第四紀(258万年前〜現在)という時代の間は、地層から掘りだされる化石の種類は大きく変わらない。この理由は、第四紀という時代の長さ(258万年間)が、白亜紀(約7900万年間) やジュラ紀(約5600万年間)とくらべると、けたちがいに短いためだ。そして、地層は新しいものほどよく残されている。

第四紀の長さは白亜紀の30分の1以下しかないが、今地表で目にすることができる層は、第四紀のもののほうが多いのだ。そのため、第四紀の地層では白亜紀など古い地層とくらべ、気候の変化などがはるかにくわしく研究されてきた。だから第四紀のなかは、化石の種類の変化が見られなくても、気候の変わりかたのちがいで区分されるようになったのだ。

気候というのは、寒いとか暑いとかのちがいを区別したもので、たとえばヤシの木が生えているような赤道付近はいつも暑くて「熱帯気候」とよんでいる。逆に、北極や南極のように、いつも氷があって寒いところは「寒帯気候」だ。

海面が今よりも100メートル以上低かった時代

今から2万年前の地球は、この寒帯気候の地域がすごく広がって地球全体が寒くなった時代だ。北アメリカ北部やヨーロッパ北部が凍りつき、今の南極みたいに厚さが3000メートルにもなるぶ厚い氷で覆われていた。このように陸地の氷が大きく発達した時代を「氷期」とよんでいる。

ただ、氷期であっても、地球全体がすべて寒かったわけではなくて、赤道付近は熱帯のままだった。一番ちがっていたのは、海面の高さだろう。氷期は氷がたくさん陸上にあるぶん、海水の量が減って、海面が今よりも100メートル以上低くなっていた。このため日本列島は朝鮮半島と地続きになって、大陸との間を歩いて行き来ができた。

一方、「氷期」と「氷期」の間にはさまれたあたたかい時期を「間氷期」とよぶ。氷期に発達した北アメリカ北部やヨーロッパ北部にあった氷がとけて、海面が今と同じくらいになった時代だ。そして今は間氷期の真っ最中ということになる。

氷期の次は間氷期が、そして間氷期の次は氷期がやってくる。氷期から次の氷期まで間隔を刻むリズム(氷期─間氷期サイクル)はかつて2万年ほどだった。そのときは、氷期であっても北アメリカ北部やヨーロッパ北部など北極には氷ができず、南極の氷の大きさが少し大きくなっただけらしい。

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