「チバニアン」の時代、地球はどんな姿だったのか 祖先である現生人類が生まれたその時代
国際層序委員会は1977年以降、116ある地球の歴史(地質年代)の境目ひとつひとつに、その基準となるGSSPを設置しようと活動を続けている。だが、GSSPが決まっていない境目はまだ多く残っている。
また、地層がほとんど残されていない太古代をのぞき、年代名称すら決まっていない時代もいくつかある。カンブリア紀の4つと第四紀の1つがそうだ。中期更新世(77万4000年前~12万9000年前)の時代も、2020年1月にチバニアンが承認されるまでは、そんな時代のひとつだった。
GSSP(Global boundary Stratotype Section and Point) の日本語訳は、「国際境界模式層断面とポイント」。ここでいう断面とは基準となる地層の境目が観察できる崖のこと。そして、その境目に1つの点をうち、それを地質年代境界の基準とするのだ。その点をゴールデンスパイクとよんでいる。
そしてGSSPに認められた地層では、どの点がゴールデンスパイクであるかを示す必要がある。
ちなみに年代名称の由来となった層がある場所と、あとから決まったGSSPのある場所がことなる場合も出てくる。
たとえばアキタニアン(2303万年前~2044万年前をさす時代) はフランスのアキテーヌ地方に由来しているが、GSSPはイタリアにある。つまり、アキテーヌ地方にある地層よりもイタリアの地層のほうが、年代の境目となる2303万年前の拠をよりたくさん残していた、というわけだ。
チバニアンの地層でも、ゴールデンスパイク設置の準備が進んでいる。日本ではただ1カ所、世界でも77カ所しかないので、設置されたらぜひ見にいってみてほしい。
チバニアンの時代、地球はどんな様子だったか
時代の境目は、地層から掘りだされる化石の種類が大きく変わるところで分けることが多い。その時代を代表する生物の絶滅などが境目になる。たとえば、恐竜で有名なジュラ紀や白亜紀はどうだろうか。
ジュラ紀のはじまりはアンモナイトの出現がめやすとなっていて、のちに続く白亜紀の終わりはアンモナイトや恐竜の絶滅がめやすになっている。ジュラ紀と白亜紀の境目は、ある種のアンモナイトの出現がめやすになっている。
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