LGBTカップルに立ちはだかる「住まい選び」の壁 金融機関の理解徐々に深まりローン組みやすく

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

そのなかで、三好不動産が楽天銀行を提携先に選んだ理由を聞いたところ、LGBTに対する企業風土が近いということもあるが、「楽天銀行ではパートナーシップに関する公的な書類が不要なので、ローンが早く借りられる点を評価した」からだという。

加えて、「連生型団体信用生命保険」に加入することで、主に借りた人だけでなく収入合算したパートナーが亡くなった時にも保険金で住宅ローンを清算できるというメリットがある。

ただし、だれもが楽天銀行の住宅ローンを利用できるわけではない。楽天銀行のLGBT住宅ローンはリクルートの「スーモカウンター新築マンション」または三好不動産の店舗を窓口にした場合のみ利用できるからだ。

LGBTの住まい探しへの支援策はまだ不十分

このように、現行の制度や商品などを活用して、同性カップルも家を借りたり買ったりする道が開かれている。とはいえ、まだ支援策は不十分だ。

2021年4月に「LIFULL HOME'S」を運営するLIFULLが、不動産会社向けに「LGBTQ接客チェックリスト」を提供するなど、不動産会社のスタッフが多様性を理解し、偏見のない接客をできるような支援を始めると公表した。

住まい探しのプロである不動産会社が、セクシャルマイノリティーへの正しい理解を深め、適切なサポートをすることで、不動産オーナーの意識が変わったり、当事者の住まい探しが円滑に進むようになることが期待される。だれもが安心して生活できることが、当たり前の社会であってほしいものだ。

山本 久美子 住宅ジャーナリスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

やまもと くみこ / Kumiko Yamamoto

早稲田大学卒業。リクルートにて、「週刊住宅情報」「都心に住む」などの副編集長を歴任。現在は、住宅メディアへの執筆やセミナーなどの講演にて活躍中。「SUUMOジャーナル」「All About(最新住宅キーワードガイド)」などのサイトで連載記事を執筆。宅地建物取引士、マンション管理士、ファイナンシャルプランナーの資格を有す。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事