LGBTカップルに立ちはだかる「住まい選び」の壁 金融機関の理解徐々に深まりローン組みやすく

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生命保険や公正証書についてまで説明するのには、理由がある。同性カップルは法的な婚姻関係を結べないため、どちらかが亡くなった場合に住宅などの相続ができない。単独名義で住宅を購入した場合には、名義人が亡くなったときに、同居しているパートナーがその住宅に住めなくなったり、住宅を共有財産として主張できなかったりする。

そのためには、パートナーを受取人にする生命保険に加入したり、パートナーに相続をさせる旨の遺言書を作成したりなど、さまざまな対応策を取ることが勧められる。その前提となるのが、公正証書によるパートナーシップ合意契約だ。そのため、セミナーでは司法書士を招いて公正証書の手続きまでも説明するようにしているのだという。

裾野が広がる、LGBT住宅ローン

その三好不動産が、2021年4月に楽天銀行とLGBT向け住宅ローンで提携した。同性カップルが住宅ローンを借りることへの支援が、それだけ重要ということだろう。

この提携に尽力した堂脇さんによると、男性同士のカップルよりも女性同士のカップルのほうが住宅ローンの壁が大きいという。というのも、女性の場合は男性に比べて年収が低いことが多く、2人で一緒に借りる形でないと住宅ローンの借入額が予算に届かないからだ。

金融機関の中には、ペアローンや収入合算の対象となる「配偶者」の定義に同性パートナーを含めるという形で、同性カップル向けの住宅ローンを取り扱っている事例もある。

みずほ銀行や三井住友銀行といった都市銀行、三井住友信託銀行などの信託銀行、住信SBIネット銀行やソニー銀行などのネット専用銀行、滋賀銀行、広島銀行などの地方銀行など取り扱い機関は広がっている。その際に、公正証書によるパートナーシップ合意契約などの公的な書類を提出するのが一般的だ。

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