50万円で作れるお墓「樹木葬」が人気上昇のワケ

「夫の一族の墓に入りたくない」という声も

最近、ニーズが伸びてきているのが樹木葬。写真はアンカレッジのお墓で、宗派不問、好アクセス、ペットと入れるなどが特徴。女性目線にアピールするデザイン性の高さも人気だ(写真:アンカレッジ)

終活ブームと言われる昨今、お墓の姿が変わりつつある。そしてその変化を起こしているのは、どうも女性たちのようだ。今、どのようなお墓が求められているのか。

終活関係のマッチングサイト「いい葬儀」「いいお墓」などを運営し、業績を伸ばしている鎌倉新書と、樹木葬を企画販売するアンカレッジに聞いた。

ニーズは一般墓から永代供養墓へ

鎌倉新書は1984年設立。仏壇、墓石、葬儀など、ライフエンディングにまつわるサービスを行う企業である。2000年に始めた葬儀のしきたりなどについての情報サイトが、今のwebサービスの前身となった。

同社のビジネスでは、例えばお墓であれば、1件成約ごとにお寺、霊園などからの紹介料を得る。

2019年2月〜10月の売り上げは約23億8300万円で、前年同期比の32.5%増。主力のウェブサービスの中でも、お墓に関する事業が売り上げの6割を占める。

現在、顕著に見られるお墓ニーズについて、鎌倉新書では次のように説明する。

「承継者がいない、あるいは子どもに迷惑をかけたくない、という理由で、永代供養墓を望む方が増えてきています」(鎌倉新書代表取締役COO小林史生氏)

一般墓とはお墓としてイメージされる代表的な形。つまり石づくりで、直系の代々の家族が入る墓として「○○家の墓」と記されている。承継者が彼岸や盆といったタイミングで墓参りや僧侶などへの挨拶を行う。お墓の管理費も年に1回といったタイミングで払う必要がある。

これに対し永代供養墓は、墓のある寺や霊園の管理者が供養を行うもの。お墓の購入代金に永代供養のサービス料も含まれている場合が多い。

納骨堂は屋内に、棚やロッカーを設けたタイプが多い。地価の高い都市部では、参拝者が訪れたときにコンピュータ制御で参拝スペースまで自動搬送するハイテク納骨堂(写真は都内にある迦楼塔 東京の納骨堂内部の様子)も見られるという(写真:迦楼塔 東京)

費用は、不動産価格と連動しており地域によっても異なるが、一般墓が平均176万円であるのに対し、納骨堂で88万円、樹木葬が69万円といったところ(2019年鎌倉新書調べ)。

同社が年1回のペースで行っているユーザーアンケートでは、2019年の利用者が購入したお墓は一般墓が約27%。3年前から見るとほぼ半減してきている。代わって伸びてきたのが、樹木葬や納骨堂だ。

特に樹木葬は人気が高まっており、約41%の人が購入している。

一般墓から永代供養墓へという変化の理由としては、都市への人口集中、少子化・核家族化、地縁や血縁の希薄化が考えられる。また、お墓にお金をかけるという価値観も薄れてきた。中には、縁がすでに薄くなっている親族が亡くなり、どこでもよいからなるべく軽い負担で葬りたいというケースもある。

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