国際石油価格の高騰が、中国の国有石油大手2社の業績を押し上げている。最大手の中国石油天然気(ペトロチャイナ)と、2位の中国石油化工集団(シノペック)は7月1日に2021年1~6月期の業績見通しを発表。2社ともに純損益が大幅な黒字となることを明らかにした。
ペトロチャイナは、1年前の2020年1~6月期には(中国国内での新型コロナウイルス流行の影響で)約300億元(約5166億円)の巨額の純損失を計上した。しかし2021年1~6月期は、純損益が前年同期から750億~900億元(約1兆2915億~1兆5498億円)改善し、450億~600億元(約7749億~1兆332億円)の黒字となる見通しだ。
シノペックも、2020年1~6月期の純損益は229億元(約3943億円)の赤字だった。それに対し、2021年1~6月期は前年同期から約594億~614億元(約1兆229億~1兆573億円)改善し、365億元(約6285億円)~385億元(約6630億円)の純利益を計上する見込みだ。
両社の黒字化の背景には、世界的な石油需要の急拡大と、それに伴う国際石油価格の上昇がある。代表的な価格指標の1つであるWTI原油先物の7月1日の終値は、1バレル当たり75.23ドル(約8379円)と年初に比べ6割近く上昇した。これは過去3年間の最高値だ。
中国の石油消費量はコロナ前の水準に
石油輸出国機構(OPEC)の2021年6月の月次報告によれば、今年4月の時点で、中国は石油消費量が新型コロナ流行前の水準を上回っている唯一の国である。
ペトロチャイナによれば、2021年1~6月期は国内の石油・天然ガスの需要が大幅に回復。同社の油田・ガス田の生産量が増加し、生産効率が向上したことも、利益増加に貢献したという。
一方でシノペックは、国際石油価格の上昇と並んで、(同社の主力製品である)石油製品や化学製品の需要が大幅に増加したことが業績を押し上げる原動力になったと説明した。
(財新記者:趙煊)
※原文の配信は7月2日
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