中国の国有石油最大手の中国石油天然気(ペトロチャイナ、漢字の略称は中国石油)は4月29日、2020年1~3月期の業績を発表した。それによれば売上高は5091億元(約7兆6900億円)と前年同期比14.4%減少。純損益は162億3000万元(約2450億円)の赤字に転落し、前年同期の102億4900万元(約1550億円)の黒字から約265億元(約4000億円)も落ち込んだ。
業績悪化の主因について中国石油は、新型コロナウイルス流行の影響による石油需要の減少と、国際石油相場の急落を挙げた。
事業別では石油製品の販売部門の赤字が最も大きく、165億9300万元(約2500億円)の営業損失を計上した。なお、1~3月期の石油製品販売量は前年同期比15.9%減の3547万8000トンだった。
2020年の設備投資予算の3分の1をカット
石油精製部門の営業損失は62億9200万元(約950億円)、原油加工量は前年同期比9.6%減の2億7700万バレル、石油製品の生産量は同13.8%減の2520万8000トンだった。化学製品部門も売り上げの減少と価格下落に見舞われ、24億1000万元(約360億円)の営業損失を出した。
そんななか、石油・天然ガスの探鉱および生産部門は唯一黒字を確保した。増産とコスト削減の効果で前年同期比3.9%増の148億8300万元(約2250億円)の営業利益を計上した。
今後の見通しについて中国石油は、世界景気の悪化により国際原油市場は供給過剰が続き、原油相場の低く不安定な状況が長引くと予想する。この未曾有の事態を受け、同社は取締役会が年初に承認した2020年の設備投資予算2950億元(約4兆4500億円)の約3分の1をカットする。
(財新記者:羅国平、曾凌軻)
※原文の配信は4月29日
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