新型コロナウイルスの世界的大流行が続くなか、中国製医療用資材の輸出の勢いが止まらない。4月26日に記者会見した中国海関総署(税関)総合業務局の金海局長は、4月初旬に1日平均10億元(約151億円)だった医療用資材の輸出額が4月中旬に同20億元(約302億円)に倍増し、下旬には同25億元(約377億円)に達したと明らかにした。
通関統計によれば、例えば4月24日に輸出された医療用マスクは10億6000万枚と、3月31日の2億2400万枚の4.7倍に急増した。3月1日から4月25日までの期間にマスク211億枚、防護服1億900万着、ゴーグル3294万セット、生体情報モニター11万台、赤外線体温計929万台、手術用手袋7億6300万組などが輸出され、それらの総額は約550億元(約8300億円)に上った。
そんななか、関係当局は輸出製品の品質確保とスムーズな通関を両立するため、規制をきめ細かく見直している。
海外の品質認証を取得した輸出企業をリスト化
中国商務省、海関総署、国家薬品監督管理局は3月31日、医療用の検査試薬、マスク、防護服、人工呼吸器、赤外線体温計など5分野の製品について、もともと国内販売に必要な医療機器製品登録証明書の取得を輸出メーカーにも義務付ける通達を出した。海外で指摘された中国製医療用資材の品質問題に対応した緊急措置だった。
ところが、この通達により品質に問題のない輸出専業メーカーの出荷まで一時ストップしてしまった。そこで関係当局は4月25日に規制を見直し、中国の登録証明書の義務付けを取り消すとともに、輸出先の品質認定を取得しているメーカーのリストを作成。それに基づいて輸出審査を行う方式に改めた。
関係当局は同時に、品質に問題のある医療用資材の違法販売の取り締まりも強化している。国家市場監督管理総局によれば、各地方の市場監督管理部門が2月4日以降に226社の253製品について抜き取り調査を実施。その結果47社の51製品が不合格となり、品質に問題のあるマスク36万枚が市場に出回るのを防止した。
(財新記者:何書静)
※原文は4月26日配信
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