中国のサービス業の景況感は改善傾向にあるものの、全体としては依然厳しい状況が続いている。5月7日に発表された4月の財新中国サービス業経営活動指数(サービス業PMI)は44.4と、3月の43からは1.4ポイント上昇したが、好不況の判断の目安とされる50を3カ月連続で下回った。
サービス業PMIに先立って4月30日に発表された4月の財新中国製造業購買担当者指数(製造業PMI)は49.4と、3月より0.7ポイント低下して再び50を割り込んだ。製造業とサービス業のPMIがそろって50を下回ったことは、新型コロナウイルス流行の影響が中国経済全体に引き続き重くのしかかっている実態を反映している。
4月のサービス業の新規受注総量は3カ月連続で減少した。減少幅は3月より縮小したが、サービス輸出の新規受注指数は(中国での新型コロナ流行のピークだった)2月に次いで過去2番目の低さを記録。新型コロナの世界的流行による外需の激減が、製造業だけでなくサービス業にも深刻な打撃を及ぼしていることを示した。
内需の回復弱く、中国経済は下振れトレンド続く
そんななか、サービス業では雇用の削減が加速している。4月のサービス業雇用指数は調査開始以来の最低値を記録、企業の雇用意欲はかつてないほど冷え込んでいる。さらに、サービス業では5カ月連続でサービスの提供価格が下がり続けている。製造業の値下げの広がりと相まって、中国経済はデフレ傾向が強まる可能性がある。
唯一の明るい兆しは、今後12カ月間の楽観度を示す指数が過去3カ月の最高値を示したことだ。サービス業界は苦況の最中にありながら、新型コロナの影響が落ち着くにつれて景気は回復するという自信を取り戻しつつある。製造業では輸出受注の激減を受け、4月の楽観度の指数が4カ月ぶりの低水準に落ち込んだのとは対照的だ。
「4月の中国経済は外需激減のショックを受け、個人の所得や消費、企業の投資などに負の連鎖反応が生じた。内需の回復は依然力強さを欠き、政府の公共インフラ投資の効果も直ちには表れない。中国経済は下振れのトレンドが続くだろう」。財新グループのシンクタンクCEBMのチーフ・エコノミストを務める鐘正生氏は、そうコメントした。
(財新記者:張娯)
※原文は5月7日配信
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