中国の国有石油最大手の中国石油天然気(ペトロチャイナ)は4月29日、2021年1~3月期の決算を発表した。それによると、売上高は前年同期比8.4%増の5519億元(約9兆2609億円)、純損益は前年同期の162億元(約2718億円)の赤字から、277億元(約4648億円)の黒字を記録した。
決算報告書によると、今年の1~3月期において、同社はマクロ経済の回復と石油・天然ガス市場の需要回復、原油価格上昇といった有利な局面を捉え、収益は大幅に拡大した。
昨年来の新型コロナウイルス流行のなかで、国際経済が徐々に回復しつつあることや産油国の相次ぐ減産実施などを背景に、国際原油価格は年頭より上昇を続けている。イギリスの北海ブレントのスポット平均価格は1バレル61.12ドル(約6651円)と前年同期比21.9%上昇、アメリカのWTIのスポット平均価格は1バレル58.13ドル(約6326円)と同27.7%上昇した。
ペトロチャイナの主要事業は「石油・天然ガスの探鉱および生産」「石油の精製および化学工業製品の生産」「石油製品の販売」「天然ガスの販売およびパイプライン運営」の4つに分けられる。
天然ガスの販売量の増加と価格上昇
それぞれのセグメント別に見ると、1~3月期において「天然ガスの販売およびパイプライン運営」事業の利益が最も大きく、前年同期比63%増の185億元(約3104億円)を計上した。これは主に天然ガスの販売量増加と価格上昇に起因する。1~3月期の天然ガスの国内販売量は前年同期比15%増の547億立方メートルに達した。
次に利益が大きかったセグメントは、「石油の精製および化学工業製品の生産」事業で、2020年1~3月期の87億元(約1460億円)の赤字から、147億元(約2467億円)の黒字を記録した。なお、3番目に利益が大きい「石油・天然ガスの探鉱および生産」事業は黒字額が129億元(約2165億円)だったが、前年同期に比べ13%減となった。
他方で「石油製品の販売」事業は、2020年の166億元(約2785億円)の赤字から、33億元(約554億円)の利益をたたき出した。2021年1~3月期のペトロチャイナの石油製品の販売量は前年同期比2.2%増の3625万トンで、その内、中国国内で販売した石油製品は前年同期比21%増の2420万トンだった。
(財新記者:趙煊)
※原文の配信は4月29日
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら