中国のサービス業の景気回復が加速している。5月7日に発表された2021年4月の財新中国サービス業経営活動指数(サービス業PMI)は56.3と、前月(54.3)より2ポイント上昇。2カ月連続で改善して今年の最高値を記録した。サービス業PMIが好不況の判断の目安とされる50を上回るのは、これで12カ月連続だ。
なお、4月30日に発表された4月の財新製造業PMIは51.9と前月(50.6)より1.3ポイント上昇し、同じく今年の最高値を記録した。サービス業と製造業のPMIがそろって改善したことは、中国の企業活動が全体的に活発になっていることを示している。
サービス業では4月の需要と供給がともに今年の最高レベルに拡大。背景には、中国国内の新型コロナウイルスの感染が効果的に封じ込められていることに加えて、外需の回復がある。サービス輸出の新規受注指数は前月までの2カ月連続の縮小基調を脱し、大幅な拡大基調へと転じた。
景気持続とコロナ封じ込めに自信
需要の高まりとともに、サービス業では経営者が徐々に雇用を増やしつつある。サービス業の雇用指数は2020年8月に拡大基調に転じた後、2021年2月を除いて拡大基調を維持している。サービス業の労働市場は新型コロナの悪影響をおおむね克服したと言えそうだ。
一方、原材料価格や人件費の上昇を受けて、サービス業の4月の投入価格指数は10カ月連続の上昇基調となった。それに連動する格好で、サービス価格指数も上昇を続けている。調査対象企業からは「需要が強いおかげで、値上げが受け入れられる余地がある」との声が寄せられた。
向こう12カ月間のサービス業の楽観度を示す指数は、4月は前月よりわずかに低下したものの、依然として長期平均値を大幅に上回るレベルにある。中国のサービス業の経営者が、景気回復の持続やコロナ封じ込めへの強い自信を維持している表れと言えそうだ。
(財新記者:程思煒)
※原文の配信は5月7日
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