米国制裁で大打撃「ファーウェイ」の次の一手 売上高は2期連続減収でコロナ禍中より悪化

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ファーウェイの21年1~3月期は減収だった(写真はファーウェイのウェブサイトより)

4月28日、中国の通信機器最大手、華為(ファーウェイ)は2021年1~3月期の決算を開示した。それによると、売上高は前年同期比16.9%減の1500億5700万元(約2兆5074億円)、純利益は同26.6%増の168億4700万元(約2815億円)だった。

四半期業績でみると、ファーウェイの売上高減少は二期連続となる。2020年10~12月期のファーウェイの売上高は前年同期比11.4%減の2182億4700万元(約3兆6469億円)だった。一方で、ファーウェイは中国国内が新型コロナウイルス流行の最悪期にあった2020年1~3月期には、増収を達成していた。

今回の業績について、ファーウェイは同日、「2021年1~3月期も通信事業者向けネットワーク事業は引き続き着実に成長を続けている。コンシューマー事業の売上高減少は、 2020年11月にスマートフォンのサブブランド栄耀(Honor)を売却した影響などによるもので、全体業績は予想どおりだ」と説明している。

世界シェアはどんどん低下している

ファーウェイが減収に陥った主な要因はアメリカの制裁措置だ。 2020年5月と8月に、アメリカ政府はファーウェイへの制裁を強化し、2020年9月15日以降、半導体受託製造世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)などはファーウェイへの半導体チップの出荷を停止せざるをえなくなった。このチップ不足の危機の下で、スマートフォンの市場シェアで世界トップ3の一角を占めていたファーウェイは大打撃を受け、2020年は同社のスマホの売上高は減少となった。

本記事は「財新」の提供記事です

市場調査会社のカウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチのデータによると、ファーウェイのスマホの販売台数は2020年8月より減少し始め、その世界シェアは2020年4~6月期の20%から7~9月期には14%、さらに10~12月期には8%へと下落した。本拠地の中国市場でも、ファーウェイのシェアは今年3月には15%に低下した。これは、vivo(ビボ)の24%、OPPO(オッポ)の21%を下回っている。

スマホ事業が縮小するなかで、ファーウェイは新たな収益源を求めている。ファーウェイは中国の中堅商用車メーカー「重慶小康工業集団」傘下で、EV(電気自動車)製造を手がける「重慶金康賽力斯汽車(セレス)」とコラボしたSUVタイプのEV「セレス・ファーウェイSF5」を自ら販売すると発表。セレスは、4月23日にそのオーダーが2日間で3000台を超えたと発表した。(詳細は、「ファーウェイとコラボEV、2日で3000台の衝撃」を参照)

(財新記者:張而弛)
※原文の配信は4月28日

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