中国で製造された電気自動車(EV)が相次いで海を渡り、欧州に上陸している。その最初の拠点に選ばれているのは北欧のノルウェーだ。
中国の新興EVメーカーの蔚来汽車(NIO)は4月28日、近日中にノルウェーでの販売戦略を公表すると明らかにした。ノルウェーから上陸する中国製EVはNIOのほか、新興EVメーカーの小鵬汽車(シャオペン)と国有自動車大手の中国第一汽車集団の高級車ブランド「紅旗」がある。
中国のEVが欧米市場の一角を占めることができれば、それはブランドに実力が付いた証しだ。現下、欧州はEVの主要な市場となりつつある。2020年の欧州でのEV販売台数は中国を抜きトップとなった。市場調査会社のデータによると、2020年の欧州におけるEV登録台数は前年比2.42倍の136万7000台に達し、欧州の自動車総販売台数に占めるEVの比率が11%だった。
ノルウェーは世界でEVのシェアが最も高い
そのなかでも、ノルウェーは世界でEVの市場シェアが最も高い国だ。ドイツのバーデン・ヴュルテンベルク州太陽エネルギー水素研究センター(ZSW)のデータによれば、ノルウェーの2020年のEVのシェアは62.4%に達した。中国の証券大手の光大証券が4月11日に発表したレポートでは、ノルウェーの2021年のEVの販売台数は13万9000台に達すると予測している。
ノルウェー政府のガソリン車とEVに対する姿勢はまったく異なる。ガソリン車に対しては1台あたり8500ユーロ(約111万3245円)の高額な登録税を課しているが、EVは登録税、輸入税、付加価値税、道路使用税などの面での優遇策を受けることができる。
これまで、欧州に自動車を輸出する中国企業の多くは、輸入業者経由の販売方式を選択してきた。小鵬汽車はノルウェーのEVインポーター「ゼロ・エミッション・モビリティ(ZEM)」と提携し、2020年9月から2021年2月までの間にのべ309台を輸出した。中国第一汽車集団は2020年12月、ノルウェーの自動車インポーター「モーター・グルッペン」と契約を結び、ノルウェー市場への「紅旗」の進出を宣言した。
これに対し、蔚来汽車のノルウェーでの販売方式は中国国内と同じ直営方式を採る。財新記者の取材によれば、蔚来汽車はノルウェーの首都、オスロでショールーム「Niohouse」の出店場所を決めて、すでに内装工事を開始したという。
(財新記者:包蕾、鄭麗純)
※原文の配信は4月28日
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