中国の新興EV(電気自動車)メーカーの小鵬汽車が、アメリカの株式市場でIPO(新規株式公開)を計画していることが明らかになった。同社は8月7日、アメリカ証券取引委員会(SEC)にIPOの目論見書を提出。上場先はニューヨーク証券取引所を予定するが、資金調達の総額やADS(アメリカ預託株式)の売り出し数はまだ確定していない。
小鵬汽車は2014年に創業し、現在までにSUVの「G3」とセダンの「P7」の2車種を発売した。目論見書によれば、同社の2020年7月末までの累計販売台数はG3が1万8741台、P7が1966台。2018年から2020年6月末までの累計売上高は約30億9000万元(約470億円)となっている。2021年には3車種目の新車を投入する計画だ。
IPOが実現すれば、小鵬汽車はアメリカで上場した中国の3社目のEVスタートアップ企業となる。1社目の蔚来汽車は2018年9月にニューヨーク証券取引所に、2社目の理想汽車は2020年7月にナスダックにそれぞれ上場した。8月上旬時点の時価総額は蔚来汽車が約158億ドル(約1兆6700億円)、理想汽車が142億ドル(約1兆5000億円)に達している。
ネット業界の巨人がEVスタートアップを支援
蔚来汽車、理想汽車、小鵬汽車の3社に共通するのは、いずれも中国インターネット業界の“巨人”のバックアップを受けていることだ。具体的には騰訊(テンセント)が蔚来汽車に、美団点評が理想汽車に、阿里巴巴(アリババ)が小鵬汽車にそれぞれ出資している。
小鵬汽車の目論見書によれば、同社の筆頭株主は創業トップの何小鵬氏で発行済株式の31.6%を保有、何氏を含む経営陣が合計40.9%を保有している。第2位株主はアリババグループの淘宝(タオバオ)で14.4%を出資、第3位はアメリカ系投資会社のIDGキャピタルで6.2%を出資する。
強力な後ろ盾があるとはいえ、EVスタートアップ3社の経営はそろって赤字だ。小鵬汽車も例外ではない。目論見書によれば2019年通期の純損失は46億4000万元(約707億円)、2020年1~6月期の純損失は20億9000万元(約318億円)に上った。
(財新記者:鄭麗純)
※原文の配信は8月8日
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら